最近、航空自衛隊の馬毛島基地(仮称)の施設配置計画が話題になっていますね。そんな中、馬毛島にある遺跡も注目を集めています。この記事では、馬毛島の遺跡について詳しく紹介していきます。
ぴえん
「さくらちゃん、最近ニュースで見たんだけど、鹿児島県の馬毛島っていうところに航空自衛隊の新基地ができるんだってね。でも、その島には遺跡もあるって聞いたんだけど、本当?」
さくら
「そうなんだよ、ぴえんちゃん。実は、馬毛島にはいくつかの遺跡があって、報道では2023年2月14日から鹿児島県教育委員会が試掘調査を行っているんだ。この記事で、馬毛島の遺跡について詳しく紹介していくね!」
この記事では、馬毛島の歴史や地理の概要を説明した後、主な遺跡について紹介します。また、遺跡が基地建設計画にどのような影響を与えるのか、今後の遺跡調査と基地建設計画の進展についても触れていきます。
馬毛島の遺跡に興味を持った方は、ぜひこの記事をお楽しみください。そして、基地建設計画と遺跡調査の関係についても、今後の進展を見守りましょう。
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馬毛島の歴史と地理:基地建設の舞台となる美しい島
馬毛島は、鹿児島県西之表市の一部を構成し、大隅諸島の一つで東シナ海に位置しています。面積は8.20平方キロメートル、周囲は16.5kmで、最高地点は71.7mです。農業に適さない地質であるにも関わらず、マゲシカの生息地であり、周辺の豊かな漁場の存在により、長年にわたり人々の生活が続いてきました。
過去には、種子島氏の支配下にあり、主に漁業基地として活用されていました。飢饉が発生した江戸時代には、種子島の島民が救荒食としてソテツ(Cycad)の採取に訪れました。明治時代以降、牧場としての利用も試みられ、太平洋戦争末期には帝国海軍の防空監視所に指定され、一時的に無人島となりました。
戦後、緊急開拓事業の一環として農業開拓団が入植。ピーク時には528人が住んでいたものの、農業に不適な土地と水源の不足から次第に人口が減少。1980年に最後の島民が島を離れ、以降は無人島とされてきました。しかし、最近では航空自衛隊の基地建設計画が進行中で、厳密には無人ではなくなっています。
美しい自然環境と歴史的遺跡が魅力の馬毛島。基地建設と並行して、島の文化遺産保護にも注目が集まっています。この記事では、馬毛島の主要な遺跡について深く掘り下げます。どうぞお楽しみに。
馬毛島の遺跡
馬毛島には、歴史的に価値のある遺跡がいくつか存在しています。今回は、その中から3つの主な遺跡について詳しく紹介します。
出典:鹿児島県立埋蔵文化財センターウェブサイト「埋蔵文化財情報データベース」 (https://www2.jomon-no-mori.jp/kmai_public2/index.php)
馬毛島葉山王籠遺跡
2018年に厚生労働省が行なった戦没者遺骨収集調査で、馬毛島の池田小屋と呼ばれる地点の近くの砂丘から完全な1体分の人骨が発見され、当該地が遺跡と判断され、「馬毛島葉山王籠遺跡」と名付けられた。西之表市教育委員会が現況確認調査を行い、埋葬地が破壊され、人骨が滅失する恐れがあると判断し、発掘調査を行ない、30代の男性の人骨を発見した。副葬品は確認されなかったが、類例から人骨は中世頃のものと推定され、調査地近くには異なる石材の6基の古石塔が横一列に並んでいることもわかっている。
遺跡名 | 馬毛島葉山王籠 |
よみがな | まげしまはやまおーごもり |
遺跡コード | H30-213-136-0 |
住所 | 鹿児島県西之表市馬毛島字葉山3-1 |
遺跡の時代 | 古墳時代、中世 |
遺跡の種別 | 散布地、その他の墓 |
主な出土遺物 | 土器片(上能野式)パンケース1箱,人骨(完全な1体分は検出後埋め戻す,他数十点) |
参考文献 西之表市教育委員会 2019 『西之表市埋蔵文化財発掘調査事業報告書:馬毛島葉山王籠遺跡発掘調査事業報告書(埋葬人骨取り上げ調査)西之表市埋蔵文化財発掘調査事業報告書』西之表市教育委員会
椎ノ木遺跡
1977年に西之表市教育委員会が主体となって実施した馬毛島の文化財調査中に、当時の東京都立大学大学院生が貝殻や骨片を含む層を発見し、弥生時代の埋葬跡である可能性があるとされた。1979年に西之表市教育委員会によって発掘調査が実施され、土壙墓が確認され、人骨と多数の副葬品が出土した。人骨は比較的若い成年男性のもので、年代感に関しては放射性炭素年代測定などの自然科学的な手法で調べられたわけではないが、弥生時代終末期のものと推定され、北九州の弥生人骨よりも種子島の広田出土人骨に類似していたと考えられている。副葬品の貝製品は貴重なものであり、計85個の貝小玉と計268個のツノガイ製品で構成され、一部は連結したまま出土したことから首飾り等としてつながっていたと考えられる。また、上能野式土器片や磨石も出土した。
遺跡名 | 椎ノ木 |
よみがな | しいのき |
遺跡コード | H25-213-63-0 |
住所 | 鹿児島県西之表市馬毛島椎ノ木 |
遺跡の時代 | 弥生時代後期〜終末期 |
遺跡の種別 | 散布地 |
主な出土遺物 | |
参考文献 西之表市教育委員会 1980 『西之表市埋蔵文化財発掘調査報告書4:馬毛島埋葬址西之表市埋蔵文化財発掘調査報告書4』西之表市教育委員会 南種子町教育委員会 2007 『南種子町埋蔵文化財発掘調査報告書 15:広田遺跡』鹿児島県南種子町教育委員会
八重石遺跡
2022年12月に新たに「周知の埋蔵文化財包蔵地」として遺跡地図に登載された遺跡です。2022年10月に西之表市教育委員会が実施した踏査で、石器を数点ほど表採したらしいです。物が物なだけに、詳細は公表されておりません。
遺跡名 | 八重石 |
よみがな | やえいし |
遺跡コード | R4-213-137 |
住所 | 鹿児島県西之表市馬毛島字八重石9-39外 |
遺跡の時代 | 旧石器時代 |
遺跡の種別 | 散布地 |
主な出土遺物 | 石器 |
これらの遺跡は、馬毛島の歴史や文化を知る上で非常に貴重な資料となっています。基地建設計画が進む中で、これらの遺跡の保護や調査がさらに重要視されることでしょう。今後の展開にも注目が集まりますので、島嶼部へ進出した旧石器人の足跡、遺跡詳細は続報をお楽しみに!
馬毛島の遺跡と基地建設:今後の展開と文化財保護
馬毛島の基地建設計画が進行する中で、遺跡の調査と文化財保護が重要な課題となっています。今回は、これらの遺跡の今後の展開と文化財保護について詳しく解説します。
- 遺跡の発掘調査と基地建設計画 馬毛島の八重石遺跡が基地建設計画地に直接的に関連しており、「周知の埋蔵文化財包蔵地」として遺跡地図に登載されました。防衛省九州防衛局は、文化財保護法に基づく工事届を提出し、2023年2月14日からおよそ3週間の予定で埋蔵文化財調査を実施しています。
- 調査の進展と今後の見通し 埋蔵文化財調査では、複数箇所の試掘トレンチを設定して発掘調査が行われます。旧石器時代の遺物集中域を狙っての試掘は非常に難易度が高いため、調査の進展が注目されています。試掘調査により遺構・遺物の分布が明確に確認されると、調査面積や深度などの仕様が決定し、防衛省九州防衛局から一般競争入札などの公示が行われることが予想されます。
- 文化財保護の取り組み 馬毛島の遺跡は、歴史的価値が高く、文化財保護が重要視されています。基地建設計画と並行して、遺跡の調査や保護に関する取り組みが進められることが期待されています。遺跡の発掘調査や文化財保護のための予算や人員配置も今後の課題となります。
馬毛島の遺跡と基地建設計画は、歴史的価値のある遺跡の保護と国の防衛上の必要性という、重要な課題を抱えています。今後の展開に注目しながら、遺跡の調査と発掘作業が進むことで、馬毛島の歴史的背景や文化的価値がさらに明らかになることが期待されます。また、基地建設計画が進行する中で、文化財保護と防衛上の必要性のバランスが適切に保たれるよう、関係者が連携し、適切な対策が講じられることが求められます。
具体的には、発掘調査の結果に基づいて、基地建設計画の設計や工程を適宜見直すことが重要です。また、遺跡周辺において環境や生態系への影響が最小限に抑えられるよう、環境アセスメントなども実施することが望ましいです。(アセスは既に発注済みですね。)
さらに、馬毛島の遺跡や歴史について、地域住民や一般の人々にも理解を深めてもらうための情報発信が重要です。遺跡や発掘調査の成果を展示する施設の設置や、教育プログラムの実施、観光資源としての活用など、文化財保護と地域活性化を両立させる取り組みも検討されるべきです。
まとめとして、馬毛島の遺跡と基地建設計画は、歴史と文化の保護と国の防衛上の必要性を両立させることが求められる課題です。今後の調査結果や取り組みによって、遺跡の価値が適切に評価され、文化財保護と基地建設計画が調和ある形で進むことが期待されます。
まとめ
馬毛島の遺跡と基地建設計画は、歴史や文化の保護と国の防衛上の必要性を両立させることが求められる重要な課題です。本記事では、馬毛島の歴史や地理、主な遺跡について紹介し、今後の展開についても触れました。
発掘調査や遺跡周辺の環境調査を通じて、適切な基地建設計画が進められることが期待されます。また、文化財保護と地域活性化を両立させる取り組みや、遺跡の価値に対する理解を深める情報発信も重要です。
最後に、遺跡の保護と基地建設計画が調和ある形で進むことで、馬毛島の歴史や文化が次世代にも引き継がれることが期待されます。これからも、馬毛島の遺跡や基地建設計画の動向に注目していきましょう。