新選組――日本の歴史の中でも、その名が語り継がれる特別な武士団。彼らの勇猛さ、忠誠心、そしてその激動の時代を生き抜く姿には、多くの物語や伝記が捧げられてきました。しかし、その多様性と深さは、単一の視点からでは捉えきれない。今回のブログでは、新選組とその関連人物に焦点を当てた5つの異なる作品をピックアップし、それぞれの魅力と持つメッセージを紹介します。歴史好きはもちろん、新選組をこれから知ろうとする方にも、この記事が光となり、彼らの生きざまや精神を深く感じる一助となることを願っています。

新選組 幕府を守ろうとした男たち

著:楠木誠一郎, イラスト:山田章博
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『新選組 幕府を守ろうとした男たち』は、楠木 誠一郎と山田 章博の共著による一冊です。この本は、講談社火の鳥伝記文庫シリーズの中で特に人気を誇るタイトル「新選組」を基に、青い鳥文庫として新たに出版されたものです。

新選組(Shinsengumi)とは、動乱に満ちた幕末の京都(Kyoto)を舞台に、その卓越した剣の技を駆使して幕府(Bakufu)のために戦い続けた組織である。彼らは特に、多数の攘夷派の長州藩士を討ち取った「池田屋事件」(Ikedaya Incident)で知られる。この事件を通じて、組織のリーダー、近藤勇(Kondo Isami)、策士の土方歳三(Hijikata Toshizo)、そして若くして才能を持つ沖田総司(Okita Soji)の活躍を追体験できる。

1863年、時の将軍の警護と京都の治安を維持する目的で、浪士(ronin、無主の武士)たちを中心に新選組が結成されました。近藤勇は、江戸(Edo、現在の東京)の道場「試衛館」に集結した仲間たち、土方歳三や沖田総司を引き連れ、京都守護職・松平容保の下で活動を始めます。彼らは最終的に幕臣となるものの、その後の動乱の中で戊辰戦争において多くが戦死。彼らが夢見た武士としての生き様や青春が、感動的に描かれています。この本は小学上級生から中学生向けにも推奨されており、すべての漢字にはふりがなが付けられているため、読む際のサポートとしても機能しています。

本の著者、楠木誠一郎は、福岡県出身の作家で、多くの歴史関連の著書を持つ。彼は高校時代に邪馬台国ブームに影響を受け、古代史への興味を持つようになりました。大学卒業後は歴史雑誌の編集者として活動し、幅広い時代の歴史を研究してきた。一方、山田章博は、高知県出身の漫画家・イラストレーターで、多くのゲームやアニメのキャラクターデザインを手掛けるなど、幅広いジャンルでの活躍が認められています。

この本を手に取れば、新選組の活動とその背景となる幕末の日本を深く理解できるでしょう。歴史好きな方、また新選組に興味を持つ方には、非常におすすめの一冊です。

新選組 (学研まんが NEW日本の伝記)

著:こざき ゆう, イラスト:ひのみち, 読み手:大石 学
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『新選組 (学研まんが NEW日本の伝記)』は、大石学の監修と、こざきゆうおよびひのみちによる作品です。出版元は学研プラスで、2017年11月28日に発売されたこの書籍は、伝記まんがシリーズの中でも注目の一冊となっています。

この書籍の最大の特徴は、幕末の日本を舞台に、熱き男たちの物語がオールカラーのマンガ(comic)で描かれていること。物語の中心には、江戸の試衛館の道場主、近藤勇を筆頭にした新選組という剣士集団が登場します。彼らは、当時の動乱に巻き込まれながらも、高い志を持って、武士らしい生き様を追求し続けました。

ビジュアル面でもこのマンガは魅力的。現代の子どもたちにも親しみやすい絵柄で、エキサイティングなストーリー展開が楽しめるのです。特に、「剣の腕1本でのし上がってやるぜ!」や「俺も自分の信じる武士道をつらぬく!」といったセリフが、読者の心を鷲掴みにします。そして、迫力満点のパノラマ画面では、新選組の名を高くした池田屋事件などが、圧巻のビジュアルで表現されています。

さらに、この書籍は単なる物語だけでなく、新選組に関する豊富な資料や情報も収録。新選組に関連したアイテムや、隊士たちの日常生活、興味深いエピソードなど、さまざまな角度から彼らの魅力を再発見できる内容が盛り込まれています。

目次を見ると、泣く子も黙ると言われた彼らの剣術の実力や、日野の農民から壬生の狼へと変わっていく過程、京都での活動、数々の戦いや内部の紛争、そして絆と別れを通じて、新選組の活動と彼らの人間性が深く掘り下げられています。

総じて、この『新選組 (学研まんが NEW日本の伝記)』は、歴史的事実とエンターテインメントを融合させた、まさに新しい形の伝記として、幅広い世代の読者におすすめできる一冊です。

学習まんが 世界の伝記 NEXT 土方歳三と新選組 幕末の京都を守った若者たち

『学習まんが 世界の伝記 NEXT 土方歳三と新選組 幕末の京都を守った若者たち』は、菱山瑠子、和田奈津子の著述、および河合敦の監修による作品です。出版元は集英社で、2017年12月15日に発売されました。

この書籍は、「世界の伝記」シリーズの「NEXT」という新しいラインナップの一部として位置づけられています。このシリーズは、世界的なヒーローやヒロインたちが子供の頃に何を感じ、何を考えていたのかを、マンガ(comic)や解説を通じて伝えるものです。オードリー・ヘプバーンや坂本龍馬といったさまざまな歴史的人物がフィーチャーされていますが、今回の主題は、幕末の日本とその中心人物、土方歳三です。

200年にわたる江戸幕府の時代が終焉を迎え、新たな時代である明治維新が始まる背景の中、土方歳三の34年の生涯が描かれています。土方は、新選組の副長として、治安の悪化した京都を守る任務を担っていました。彼の背景や、少年時代の夢、そして新選組での活動や仲間たちとの絆など、彼の人生の様々な側面が詳細に描かれています。

特に注目すべきは、土方歳三が農民出身でありながら、幼少期から武士に憧れ、その道を積極的に追求していった点です。近藤勇や沖田総司といった仲間との出会いや、剣術の修業、そして京都での新選組としての活動など、彼の歩んだ道のりが感動的に描かれています。そして、時代の変革の中で、土方と彼の仲間たちは、自分たちの信念や正義を最後まで貫こうとする姿が伝わってきます。

総じて、この書籍は、歴史的事実とエンターテインメントを融合させ、幕末の激動の時代と、その中で生きた若者たちの心情や選択を深く掘り下げた一冊です。歴史愛好家はもちろん、若い世代にもおすすめできる作品となっています。

マンガ 面白いほどよくわかる!新選組

編集:かみゆ歴史編集部
¥1,188 (2023/10/19 13:17時点 | Amazon調べ)

西東社から2018年12月2日に発売された『マンガ 面白いほどよくわかる!新選組』は、かみゆ歴史編集部によって編集された、新選組に関する歴史をマンガ形式で解説した一冊です。この書籍は、幕末の動乱を生き抜いた新選組のメンバーたちの「誠」の心意気と彼らの歴史を、豪快かつ大迫力で描き出しています。

特筆すべきは、3Dビジュアルを駆使した解説部分で、これにより新選組の歴史やその背景が非常に視覚的に、そして詳細に読者に伝えられます。また、新選組にまつわるさまざまな“謎”にも深く迫る内容となっており、歴史好きはもちろん、新選組や幕末に興味を持つすべての読者に向けた情報が詰め込まれています。

本書は、以下の5つの章から成り立っています。

  1. 『第1章 同志集結と新選組の結成』では、新選組がどのようにして結成されたのか、初期のメンバーたちがどのような背景や経緯で集まってきたのかを詳細に描写しています。
  2. 『第2章 池田屋事件と新選組の隆盛』は、新選組が名を馳せた池田屋事件を中心に、その時期の新選組の活動や影響を深掘りします。
  3. 『第3章 山南の切腹と油小路事件』では、新選組内部のトラブルや外部との関係を中心に、複雑な人間関係や事件を解説しています。
  4. 『第4章 甲陽鎮撫隊と近藤の最期』では、新選組のリーダーである近藤勇の生涯と彼を取り巻く状況を中心に語られます。
  5. 最後の『第5章 盟友との離別と箱館戦争』では、新選組の末期の動向や、彼らが参加した箱館戦争の経緯を描いています。

この書籍は、マンガ(comic)の形式を通じて、新選組の歴史を楽しく、かつ詳しく学べる一冊となっており、初心者から熟練者まで、多くの読者に推薦できる作品です。

アサギロ~浅葱狼~

著:ヒラマツ・ミノル
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『アサギロ~浅葱狼~』は、ヒラマツ・ミノル著の日本の漫画(manga)作品で、『ゲッサン』(Shogakukan’s Gessan)誌において2009年の創刊号から連載が開始されました。本作は、幕末の歴史的背景を基に、名高い新選組と、その中心的存在である沖田総司の少年時代を描いています。

あらすじを簡単に紹介すると、1854年の江戸を舞台に、12歳の沖田惣次郎が御前試合で著名な剣豪・村上と対決し、勝利する場面から物語は開始します。この勝利によって惣次郎の名は急上昇しますが、その裏には、敗れた村上が切腹を決意し、その介錯を惣次郎に頼むという重大な出来事が隠されていました。初めは迷う惣次郎でしたが、村上の刀を欲するあまり、この役割を受け入れます。しかし、切腹の儀式中、惣次郎は誤って村上の首を切り落としてしまいます。この失敗により、彼は投獄され、さまざまな拷問を受けることとなる。そんな彼のもとへ、惣次郎の兄弟子である島崎勝太が訪れるところで、新選組の物語が本格的に始まるのです。

第1巻の内容紹介によれば、幕末の動乱期、京都の街を浅葱色の羽織を纏って駆け巡る新選組は「狼」として多くの人々から恐れられていました。この物語は、後に新選組の副長、沖田総司として名を馳せるであろう惣次郎が、どのようにしてその「強さ」を手に入れ、そしてその力をどう扱っていったのかを描き出しています。そして、鬼才と称されるヒラマツ・ミツルの筆致によって、新選組の魅力や複雑な人間関係が深く、そしてリアルに描写されています。

全体として、『アサギロ~浅葱狼~』は、歴史的事実をベースにしつつも独自の解釈やドラマチックな展開で、新選組や沖田総司の背後にある人間ドラマを巧みに描いている作品といえるでしょう。

まとめ

The Shinsengumi was a group of roshi (ronin) organized by the Edo shogunate at the end of the Edo period (the last days of the Tokugawa Shogunate).
新撰組は江戸時代末期(幕末)に江戸幕府の徴募により組織された浪士隊。

新選組は、幕末の日本を舞台に活躍した特別な武士団であり、その活動や存在は日本の歴史において特異な位置を占めています。今回、紹介した5つの作品は、新選組とその関連人物に焦点を当てたもので、読者にその魅力と複雑さを深く伝えるための異なるアプローチを取っています。

『新選組 幕府を守ろうとした男たち』は、新選組がどのような状況の中で成立し、幕府を守るためにどのような活動を展開していったのかを中心に描いています。その決意と忠誠心が、彼らが直面した様々な困難にどのように影響したのかを詳細に学ぶことができる作品です。

『新選組 (学研まんが NEW日本の伝記)』は、新選組の主要な人物たちの生涯や活動を、まんが(manga)の形式でわかりやすく紹介しています。彼らの人間性や思い、背景などが、視覚的な表現を通じて効果的に伝わる作品です。

『学習まんが 世界の伝記 NEXT 土方歳三と新選組 幕末の京都を守った若者たち』は、特に土方歳三という新選組の中心的な人物に焦点を当て、彼のリーダーシップや活動を中心に描いています。幕末の京都を守るために、彼らがどのような役割を果たしたのかが詳細に紹介されています。

『マンガ 面白いほどよくわかる!新選組』は、3Dビジュアルを用いて新選組の歴史を魅力的に解説しています。その激動の歴史や「誠」の精神を、革新的な視覚的手法を用いて読者に伝えることを目指しています。

最後に『アサギロ~浅葱狼~』は、沖田総司の少年時代を中心に、新選組のストーリーを独自の解釈で描いています。幕末の歴史的背景とともに、個人の成長や内面的な葛藤が深く掘り下げられています。

これらの作品を通じて、新選組やその関連人物の魅力や複雑さ、そして彼らが幕末の日本で果たした役割を深く理解することができるでしょう。それぞれの作品が持つ独自のアプローチや特色を理解し、新選組に対する興味や知識をさらに深める手助けとなることを期待しています。