日本の城郭文化において、その美しさと堂々たる姿で数多くの人々を魅了し続ける姫路城。国内外からの観光客が絶えず、その歴史や建築美を求めて訪れます。しかし、本当の姫路城の魅力は、一度の訪問や一般的なガイドブックだけでは掴めない深さを秘めています。この記事では、その深みを感じ、理解するための5冊の書籍を紹介します。これらの書籍を通じて、姫路城の真実や魅力を多角的に探求し、その魅力をさらに深く感じるための旅に出かけましょう。

姫路城 (図説 日本の城と城下町②) 

創元社
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「姫路城」と聞くと、多くの人々がその美しさと歴史に魅了される日本の象徴的存在を思い浮かべるでしょう。この書籍『姫路城 (図説 日本の城と城下町②)』は、その魅力と深い背景を徹底的に解説した1冊です。

工藤茂博氏の監修の下、2022年4月15日に創元社から発売された本書は、姫路城の壮大な歴史や建築の秘密、そして城下町の魅力を探訪します。日本初の世界遺産として認定された姫路城は、戦国時代の動乱や廃城の危機を乗り越え、さらには大戦の戦火からも奇跡的に逃れた存在です。

本書のハイライトとして以下の4点が挙げられます

  1. 姫路城の建築とその歴史: 豊臣秀吉の時代から数回の改築を経て、各時代の先進的な技術が取り入れられてきました。この城を歩けば、播磨地方の豊かな歴史が感じられるでしょう。
  2. 城下町の重要性: 本来、城の建築はその周囲の町と共に計画されるもの。この城下町を訪れることで、姫路がどのように繁栄し、姫路城がなぜこのように堅牢なものとして築かれたのかが理解できます。
  3. 播磨姫路の文化の楽しみ: 姫路は瀬戸内海に面しており、その恵まれた環境と地理的位置から豊かな文化が育まれてきました。読者は、城の訪問後にこれらの文化を堪能することができます。
  4. 地元作家・玉岡かおる氏のインタビュー: 玉岡かおる氏は、播磨を舞台とした作品を多数手掛けており、彼女の視点から見た姫路城と城下町の魅力についてのインタビューが収録されています。

目次の中身を見ると、姫路城の各部分やその周辺、さらには城下町の詳細、そして播磨姫路の文化など、非常に詳しく探訪されていることがわかります。特に「図説 姫路城ものがたり」や「Part1 姫路城を歩く」では、姫路城の具体的な部分やその歴史が詳細に解説されています。

この『姫路城 (図説 日本の城と城下町②)』は、姫路城やその周辺の魅力を深く知りたいと思うすべての人々にとって、非常に価値のある1冊と言えるでしょう。

絶景 姫路城 世界文化遺産・国宝

写真:大西義和
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『絶景 姫路城 世界文化遺産・国宝』は、日本の国宝である姫路城の壮麗な姿を紡ぎだす写真集です。この書籍は、大西義和氏によって写真撮影され、光村推古書院から2021年2月25日に出版されました。

姫路城、通称「白鷺城」(White Heron Castle)とも呼ばれる、はその名の通り白鷺が羽を広げたような優雅な姿が特徴であり、世界文化遺産(World Cultural Heritage)にも登録されている。この城の魅力は、日本国内外の多くの人々を引きつけるものがあります。

大西義和氏は姫路城の魅力をライフワークとして捉え、雨や雪、朝の霧など四季折々の変化や、日々の異なる自然の状態を背景に、城の姿を精緻に撮影し続けています。この書籍は、氏が長年にわたり撮影してきた中からのベストショットを集めたもので、読者はこれを通して姫路城の息を呑むような美しさを再発見することができます。

特に、2015年3月に終了した約5年半の平成の大修理後の姫路城は、その美しさをより一層際立たせています。この修理が完了してから約5年間、大西氏は姫路城の撮影を日課として続け、その成果がこの一冊に凝縮されています。

また、本書の特徴として、各写真の撮影場所や撮影時期が掲載されている点が挙げられます。これにより、読者は実際に姫路城を訪れる際の参考として使用することができ、同じ角度、同じ時期に城を楽しむことが可能です。

英語も併記されているため、外国の方へのプレゼントや、英語を学んでいる人への贈り物としても最適です。

『絶景 姫路城 世界文化遺産・国宝』は、姫路城の魅力を深く、そして新たな視点で感じることができる一冊と言えるでしょう。

NHK 8K 国宝へようこそ 姫路城

著:NHK「国宝へようこそ」制作班
¥4,180 (2023/10/20 09:16時点 | Amazon調べ)

『NHK 8K 国宝へようこそ 姫路城』は、NHK制作班によって作成された国宝シリーズの一冊で、NHK出版から2022年2月26日に発売されました。この書籍は、NHKの高精細な8K技術を駆使して制作された番組「国宝へようこそ」を元にしており、読者はその画質の高さをページ上で体験することができます。

1000件以上の国宝から厳選された名宝中の名宝にスポットを当てるこのシリーズは、国宝の微細な美しさを詳細に再現しています。その中でも『姫路城』の巻は、日本の城郭建築の美と歴史を深く探求しており、美しさだけでなく、その堅固な構造や歴史的背景にも焦点を当てています。

姫路城は、日本の歴史において戦国時代から平和な時代へと移行する過渡期に位置しています。この書籍では、その時代背景をもとに、池田輝政が慶長14年(1609年)に大天守を建築した背景や意図に迫ります。輝政は、戦国の荒れ狂う時代を終わらせ、安定した時代を迎えるための強さと堅固さをこの城に求めていたとされます。

ページをめくるごとに、城のさまざまな部分、例えば城門から大天守の最上階までの詳細なディテールが紹介され、その美しさと共に、その背後に隠された力強さや歴史的意味合いを感じ取ることができます。

『NHK 8K 国宝へようこそ 姫路城』は、姫路城の魅力を多角的に捉え、高精細な8Kの技術と詳細な解説を通して、その美と歴史的背景、そして堅固さを読者に伝える一冊となっています。

姫路城まるごとガイドブック

著:芳賀 一也(著・写真)
¥2,200 (2023/10/20 09:19時点 | Amazon調べ)

『姫路城まるごとガイドブック』は、芳賀一也氏による詳細かつ独自の視点でまとめられた姫路城のガイドブックであり、集広舎から2019年4月10日に発売されました。この書籍は、ただの観光ガイドではありません。著者は姫路城を訪れる度に細部まで熟知し、その経験と知識をもとに一冊のガイドブックとしてまとめ上げました。

芳賀氏は、郷土史家としての深い知識と、プロ観光ガイドとしての経験を持つ。この書籍は、その両方の視点から、姫路城の魅力とその歴史的背景を読者に伝えることを目的としています。特に、多くの人々が信じてきた「縦長の狭間は弓用、丸い狭間は鉄砲用」という城郭研究の常識に対して、著者は異論を持っており、その点が本書の大きな特徴となっています。

また、本書は320ページ全てがカラー印刷であり、その中には驚異的な990点を超える写真が掲載されています。これにより、読者は姫路城のすべての側面、美しさ、そして歴史をこの一冊から学ぶことができるのです。

著者の芳賀一也氏は1961年に姫路で生まれ、日本大学芸術学部写真学科を中退後、東京、ロンドン、ニューヨークで写真家としてのキャリアを積んできました。しかし、阪神淡路大震災をきっかけに故郷である姫路に戻り、歴史の研究と伝える活動を始めました。文献研究を基盤に、独自の歴史語りスタイルを確立。現在も各種講座や講演、テレビ・ラジオ出演などでその知識と情熱を広めています。

『姫路城まるごとガイドブック』は、姫路城の詳細な情報と独自の視点を持つ芳賀一也氏の手によって、読者に深い理解と新しい発見を提供する一冊となっています。

名城をゆく 姫路城 (小学館アーカイヴス) 

『名城をゆく 姫路城 (小学館アーカイヴス)』は、2017年3月2日に小学館から第2版として出版された書籍であり、姫路城の新たな姿とその背後に隠された物語を緻密に描写しています。

姫路城は、その雄大で独特な外見から「白鷺城」とも称される世界遺産です。特に、2015年に完了した「大天守保存修理工事」は、その存在をより一層際立たせました。この6年間に及ぶ修理の成果により、姫路城はその純白の美しさを取り戻し、私たちの前に新たな姿で再登場しました。

この書籍は、その再生を迎えた姫路城のさまざまな魅力や、大修理の過程、そしてその背景にある歴史や文化を詳しく解説しています。また、城の周辺に広がる城下町の魅力や、姫路城が舞台となった中国大返しの物語も取り上げられており、読者は姫路城の深みをより一層感じ取ることができます。その内容を、豊富な写真と共に紹介するビジュアル・ムック(visual book)として、視覚的にも楽しむことができる構成となっています。

また、本書は、姫路城を訪れる際のガイドブックとしても非常に適しており、旅のお供として携帯するのに最適です。

まとめると、『名城をゆく 姫路城 (小学館アーカイヴス)』は、修復後の姫路城の魅力とその深い歴史、文化をビジュアル・ムックとして詳細に描写した一冊であり、姫路城を訪れるすべての人々にとって、必読のガイドブックと言えるでしょう。

まとめ

Himeji Castle is also called "Shirasagi-no-jo" (castle of the egret) because of its beautiful white walls and graceful spreading hem.
姫路城は白壁の美しさと裾広がりの優雅な姿から「白鷺の城」とも呼ばれている。

姫路城、その名は日本の城郭文化を代表する壮麗な姿を持つ城として世界に知られています。この度、『姫路城 (図説 日本の城と城下町②)』、『絶景 姫路城 世界文化遺産・国宝』、『NHK 8K 国宝へようこそ 姫路城』、『姫路城まるごとガイドブック』、『名城をゆく 姫路城 (小学館アーカイヴス)』の5冊の書籍を通して、その魅力と歴史を再発見する旅をしました。

『図説 日本の城と城下町②』は、姫路城の成立の背景や歴史的背景を深堀りしています。建築構造や城下町との関係性など、ディテール(detail)にわたる情報を提供しており、城の総合的な理解のための基盤となる一冊です。次に、『絶景 姫路城 世界文化遺産・国宝』は、姫路城の壮麗な姿やその詳細な部分を豊富な写真で捉えており、視覚的な魅力を堪能することができます。その美しさと力強さが同居する姫路城の姿を、文字だけでなく、目で感じることができるのはこの書籍の特長です。

『NHK 8K 国宝へようこそ 姫路城』は、NHKの制作班が手がけた、最新の8K技術を用いたビジュアルブック。高精細の映像技術を駆使して、これまでに見ることができなかった国宝の細部を再現し、姫路城のさまざまな表情やディテールを新たな視点で紹介しています。

そして、『姫路城まるごとガイドブック』は、郷土史家としての深い知識とプロ観光ガイドとしての経験を活かし、姫路城の歴史や魅力を初心者から上級者まで幅広く紹介しています。また、城郭研究の新しい視点や異論も紹介されており、これまでの常識を再考するきっかけとなる一冊と言えるでしょう。

最後に、『名城をゆく 姫路城 (小学館アーカイヴス)』は、2015年に終了した大修理後の姫路城の最新の姿を中心に、その魅力や歴史を網羅的に紹介しています。旅の際のガイドブックとしても役立つ内容となっており、実際の姫路城訪問の際に持参するのに最適な一冊です。

これら5冊の書籍を通じて、姫路城の魅力やその背後に秘められた歴史、文化、技術など、多角的な視点からのアプローチが可能となります。姫路城を訪れる前に、または訪問後の振り返りとして、これらの書籍を手に取ることで、その深みをより一層感じることができるでしょう。