【注目展示】古代ローマ：永遠の都ローマ展とテルマエ展を紹介

古代ローマは西洋文明の原点として数えられる場所であり、その歴史と文化は現代にまでその影響を残しています。今回は、古代ローマの歴史と文化を中心とした二つの特別な展示、「永遠の都ローマ展」と「テルマエ展　お風呂でつながる古代ローマと日本」をご紹介します。

永遠の都ローマ展

ローマの栄光は二千年以上の歴史を持ち、その中心にはカピトリーノの丘(Capitoline Hill)が存在します。この丘に建つカピトリーノ美術館（Capitoline Museums）は、世界でも非常に古い美術館の一つとして知られ、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世(Sixtus IV)の寄贈に始まる歴史を持ちます。

1. 永遠の都、二千年の美をめぐる
   この展示は古代ローマの建国からルネサンス、バロックの時代を経て17世紀までのローマの芸術史を紹介しています。
2. カピトリーノ美術館のコレクション
   1734年に一般公開を開始したこの美術館の所蔵品から厳選された名品を展示しています。
3. 巨大彫刻の迫力
   《コンスタンティヌス帝の巨像》の部分を原寸大で展示。これにより訪問者はその迫力を肌で感じることができます。
4. 《カピトリーノのヴィーナス》の初来日
   カピトリーノ美術館が誇る傑作彫刻が日本に初めて紹介されます。特に東京展ではこの限定展示が見られます。

展示日程:

• 東京都美術館：2023年9月16日(土)～12月10日(日)
• 福岡市美術館：2024年1月5日(金)～ 3月10日(日)

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本

古代ローマのテルマエ（公共浴場、Thermae）は日本の温泉や銭湯といった入浴文化と共通点を持ちます。ヤマザキマリ氏の人気漫画『テルマエ・ロマエ』によって、この共通点はさらに多くの人々に知られるようになりました。

1. 古代ローマの浴場文化の紹介
   絵画、彫刻、考古資料など100件以上の作品や映像、模型によってテルマエの魅力が紹介されます。
2. 日本の入浴文化の紹介
   漫画『テルマエ・ロマエ』の主人公、ルシウスが案内人となって、日本の浴場文化も紹介されます。
3. イタリア・ナポリ国立考古学博物館からの特別展示
   《恥じらいのヴィーナス》や《アポロとニンフへの奉納浮彫》など、30点以上の作品が日本に初めて紹介されます。
4. 日本のお風呂文化の歴史と地域性
   温泉、銭湯、サウナといった日本独特の入浴文化の歴史が紹介されます。

展示日程:

• 山梨県立美術館：2023年9月9日[土]～11月5日[日]
• 大分県立美術館：2023年11月25日[土]～2024年1月21日[日]
• パナソニック汐留美術館：2024年4月6日[土]～6月9日[日]
• 神戸市立博物館：2024年6月22日[土]～8月25日[日]

まとめ

古代ローマは、時代を超越して私たちの心を惹きつける繁栄と文化の宝庫であります。今回ご紹介した2つの展示、「永遠の都ローマ展」と「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」は、その魅力を私たちに再確認させる素晴らしい機会を提供してくれます。

まず、「永遠の都ローマ展」は、カピトリーノ美術館（Capitoline Museum）の壮大なコレクションを中心に、古代ローマの栄光から近代までの歴史と芸術を体感することができる展示となっています。特に注目すべきは、二千年の歴史を通じて生み出された美術作品や、岩倉使節団の訪問から150年を記念して、初めて日本で一堂に紹介される貴重なコレクションでしょう。これに加え、《コンスタンティヌス帝の巨像》や門外不出の《カピトリーノのヴィーナス》など、ローマの文化と芸術の頂点を示す作品が特に目を引きます。

一方で、「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」は、公共浴場であるテルマエ（Thermae）を中心に、古代ローマと日本の入浴文化の独特な関連性を探求する展示です。ヤマザキマリ氏の人気漫画『テルマエ・ロマエ』と連携し、主人公ルシウスを案内人として、ローマと日本の入浴文化の違いと共通点を探る旅を体験できます。特にイタリア・ナポリ国立考古学博物館からの彫刻や映像、再現展示を通じて、古代ローマと日本の浴場文化の相互理解が進むことでしょう。

これらの展示は、古代ローマの文化と芸術、そして日本との交流を通じて、私たちに歴史や文化の豊かさと普遍性を再認識させてくれるものとなります。ローマと日本、二つの異なる文明が、歴史や芸術を通じてどのように交錯し影響しあってきたのか、これらの展示を通じて体感することができるでしょう。