ゴールデンウィークが近づいてきて、家族や友人との楽しい休暇を計画している方も多いことでしょう。そんな方々に、今回は三重県を訪れる際に見逃せない博物館展示をご紹介します。三重県は、伊勢神宮をはじめとする歴史ある観光地で知られていますが、それだけでなく、地元の考古学や歴史にも深く根ざした素晴らしい博物館が点在しています。

この記事では、松阪市文化財センター(はにわ館)の神戸遺跡発掘調査速報展示、鈴鹿市考古博物館の速報展「発掘された鈴鹿2022」、そして斎宮歴史博物館の速報展示「井戸に捨てられた土器~祭祀・儀礼編~」をピックアップ。これらの展示を訪れることで、三重県の歴史や文化をより深く理解することができ、思い出に残る旅行になること間違いなしです。

Mie Prefecture is known for its historic tourist attractions, including the Ise Jingu Shrine
三重県は、伊勢神宮をはじめとする歴史ある観光地で知られています

それでは、それぞれの博物館展示の魅力を紐解いていきましょう。三重県の魅力をたっぷりと堪能しながら、素敵なゴールデンウィークをお過ごしください!

松阪市文化財センター(はにわ館):神戸遺跡発掘調査速報展示

松阪市行政チャンネル(Matsusaka City)

松阪市文化財センター(はにわ館)では、2023年3月25日から6月4日まで、神戸遺跡発掘調査速報展示が開催されています。この展示では、宅地開発工事に伴って発掘調査が行われた神戸遺跡の最新の調査成果が紹介されています。

神戸遺跡は、松阪市下村町の金剛川と真盛川に挟まれた神戸地区に位置しており、過去に神宮の神戸が存在したとされる歴史的なエリアです。調査区内では、弥生時代後期末から古墳時代前期初頭にかけての遺構や、鎌倉~室町時代の中世の遺構が確認されました。特に、弥生時代の環濠が発見され、多量の土器が出土しました。これらの遺物から、集落が営まれた時期は約1700年前と推定されています。

また、中世の柱穴も多数発見され、環濠が埋まった後に掘られた柱穴や、建物の柱材の根元(柱根)が確認されました。出土した遺物には、弥生土器や完全な形の壺形土器などが含まれており、これらの資料は弥生時代の生活研究に貴重な情報を提供しています。

神戸遺跡の調査成果は、金剛川流域における弥生時代後期末から古墳時代前期初頭の集落の状況に新たな光を当てており、この地域の歴史や文化の理解に大きく寄与しています。神戸遺跡発掘調査速報展示は、古代から中世にかけての神戸遺跡の発掘調査成果を一堂に展示し、その興味深い発見を訪れる人々と共有する貴重な機会となっています。このゴールデンウィーク、ぜひ松阪市文化財センター(はにわ館)の神戸遺跡発掘調査速報展示を訪れて、古代から中世にかけての神戸地区の歴史や文化に触れてみてください。

鈴鹿市考古博物館:速報展「発掘された鈴鹿2022」

鈴鹿市考古博物館:速報展「発掘された鈴鹿2022」
鈴鹿市考古博物館:速報展「発掘された鈴鹿2022」

鈴鹿市考古博物館では、「速報展『発掘された鈴鹿2022』」を開催しております。本展示では、2022年に市内で行われた発掘調査の最新成果を紹介しています。展示期間は2023年3月18日(土)から6月18日(日)までで、会場は考古博物館の特別展示室(国分町224)です。

本展示では、鈴鹿市調査による磐城山遺跡第16次、狐塚遺跡(国分寺跡第42次)、門山遺跡第4次、十宮古里遺跡第7次、富士山1号墳第2次、国分東遺跡第6次、そして三重県埋蔵文化財センター調査による水深遺跡、山之腰A遺跡が展示されています。また、大下遺跡出土の木樋や木製品の保存処理成果品も展示されています。

観覧料は、一般・学生が200円、小学生・中学生が100円で、常設展との共通料金となっています。休館日は月曜日と第3火曜日ですが、祝休日の場合は開館となります。また、祝休日の翌日が日曜日や祝休日の場合も開館しています。

さらに、ゴールデンウィーク期間中には、「ゴールデンウイークは考古博物館へGO!」イベントが開催されます。このイベントでは、楽しい日替わり体験や勾玉作り、火起こし体験などが楽しめます。具体的なイベント内容は、勾玉作り体験(白・ピンク)、火起こし体験、ストーンアートや木のキーホルダー、レジン、紙コップロケット、消しゴムはんこ等のアート体験、型染でうちわ作り、クラフトバンドでかご作り、ネイチャーゲームとネイチャークラフト、そしてぐにゃぐにゃ凧作りといった多彩なプログラムが用意されています。

ぜひ、鈴鹿市考古博物館にお越しくださいませ。

斎宮歴史博物館:井戸に捨てられた土器~祭祀・儀礼編~

明和町斎宮跡・文化観光課

斎宮歴史博物館では、令和5年度の速報展示「井戸に捨てられた土器~祭祀・儀礼編~」を開催しています。この展示では、発掘調査の最新成果や過去の発掘調査記録の整理・再検討結果が紹介されています。展示期間は令和5年4月18日(火)から令和5年9月24日(日)までで、会場は斎宮歴史博物館の常設展示室II 速報展示コーナー(三重県多気郡明和町竹川503)です。

本展示では、平安時代前期後半と中期中頃(9世紀後半と10世紀後半)の井戸から出土した土師器の中から、祭祀や儀礼に用いられたとみられる特別な土器が紹介されています。展示資料には、国の重要文化財に指定された土師器のうち、斎宮歴史博物館が令和4年度に保存修理を実施し、修復が完了した土器が含まれています。

展示の内容は、平安時代の斎宮の盛行期に整備された都市空間の中心とされる斎王御殿や周辺区画の井戸跡から多量の土器が出土していることや、その中に祭祀・儀礼用と推定される土器が含まれていることを紹介しています。展示資料には、史跡斎宮跡出土の土師器の片口鉢・台付鉢・壺の4点が展示されており、すべて国指定重要文化財です。

観覧料金は、一般が340円、大学生が230円、高校生以下が無料です。団体(20名以上)の場合は、一般が270円、大学生が180円、高校生以下が無料です。開館時間は9時30分から17時までで、入館は16時30分までとなっています。休館日は毎週月曜日で、月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日を休館日としています。

お問い合わせは、斎宮歴史博物館(電話:0596-52-3800、FAX:0596-52-3724)までお願いいたします。この機会にぜひ斎宮歴史博物館で開催されている「井戸に捨てられた土器~祭祀・儀礼編~」の速報展示をぜひご覧いただくことをお勧めいたします。平安時代の斎宮に関連する貴重な土器や発掘調査の最新成果が展示されており、祭祀や儀礼に用いられた特別な土器の魅力を感じることができます。修復が完了した土器の本来の姿も見ることができる貴重な機会ですので、ぜひこの展示を通じて、歴史や文化を深く学んでみてください。