ゴールデンウイークは、家族や友人と一緒に北海道の魅力あふれる博物館展示を楽しむ絶好の機会です。今回は、北海道で開催されるオススメの博物館展示を3つピックアップしました。それぞれ異なる文化や歴史に焦点を当てた展示で、見応えたっぷりです。まずは、「国立アイヌ民族博物館」の「第4回テーマ展示「地域から見たアイヌ文化展 アカント ウン コタン – 阿寒湖畔のアイヌ文化 -」」が開催されます。次に、「ピリカ旧石器文化館」で開催される「メノウ展」をご紹介します。そして最後に、「旭川市博物館」の「第96回企画展「あさひかわの縄文遺跡~神居古潭7遺跡の土器」」をお届けします。どの展示も北海道ならではの文化と歴史に触れることができ、ゴールデンウイークの思い出に残ること間違いなしです。是非、この機会に足を運んでみてください。
国立アイヌ民族博物館:アカント ウン コタン — 阿寒湖畔のアイヌ文化 —
国立アイヌ民族博物館の「第4回テーマ展示「地域から見たアイヌ文化展 アカント ウン コタン – 阿寒湖畔のアイヌ文化 -」」は、阿寒湖畔で独自に発展したアイヌ文化を紹介する展示会です。この地域では、アイヌ文化の伝統が観光業を通じて受け継がれ、新しい文化も生み出されています。展示会は、アイヌ文化の独自性や多様性を地域単位で紹介するシリーズ展示の2回目として開催されています。
展示会は6つの章で構成されており、第1章では阿寒湖畔のアイヌ文化がどのような歴史を経て独自の発展を遂げたかが紹介されます。第2章では、阿寒湖畔のアイヌ工芸品や作り手たちが紹介され、彼らがどのように技術を高めてきたかが語られます。第3章では、阿寒湖畔の様々なアイヌ芸能が取り上げられ、伝統的な歌や踊りから現代のデジタル技術を取り入れた演目まで、多様な表現が紹介されます。
第4章では、阿寒湖アイヌコタンでアイヌと共に歩んできた非アイヌの人々とその取り組みが紹介されます。第5章では、アイヌ語やアイヌ物語を通じてアイヌ文化を学ぶ取り組みが紹介され、アイヌ語を活かした地域活性化の方法も探ります。最後の第6章では、阿寒湖畔の観光業がアイヌ文化の発展にどのように貢献しているかが語られます。
この展示会は、2023年3月14日から5月14日まで開催されていますが、新型コロナウイルス感染拡大状況によっては会期が変更される可能性があります。会場は国立アイヌ民族博物館の特別展示室で、主催は国立アイヌ民族博物館。
この展示会では、国立アイヌ民族博物館が地域と連携してアイヌ文化の発展を支援している取り組みも紹介されています。展示会には、地域のアイヌ文化を継承し、伝承活動を行っている人々のインタビュー映像や関連資料が展示され、彼らの活動やアイヌ文化の現在の姿を知ることができます。
さらに、展示会では、アイヌ文化に関心を持つ人々がアイヌコミュニティと交流するためのイベントやワークショップも開催されています。これにより、来場者はアイヌ文化に触れるだけでなく、アイヌの人々と直接交流することができ、相互理解と友好を深めることができます。
また、展示会では、阿寒湖畔のアイヌコタンを訪れる観光客向けに、アイヌ文化体験プログラムやツアーも紹介されています。これらのプログラムでは、アイヌの人々と共にアイヌ料理を作ったり、アイヌ工芸品を手作りしたり、アイヌの伝統的な漁法や狩猟法を学んだりすることができます。これにより、アイヌ文化の継承や地域の活性化につながる観光資源が創出されています。
この「地域から見たアイヌ文化展 アカント ウン コタン – 阿寒湖畔のアイヌ文化 -」は、国立アイヌ民族博物館が主催するシリーズ展示の一環として、今後も様々な地域のアイヌ文化を取り上げる予定です。展示会は、アイヌ文化に関心を持つ人々や、アイヌコミュニティに関わる人々にとって、新たな知見や交流の機会となることが期待されています。
ピリカ旧石器文化館:メノウ展
ピリカ旧石器文化館では、開館20周年を記念して、2023年4月23日から7月23日まで企画展「メノウ展」を開催します。今金町はかつて、国内有数のメノウの原石産地として栄えていました。本展では、メノウ採掘に関する歴史解説をはじめ、町に残るメノウ製品を集めた展示会が行われます。会場はピリカ旧石器文化館ガイダンスホールで、毎週月曜日が休館日です。
ピリカ旧石器文化館は、史跡ピリカ遺跡の案内施設で、2003年6月にオープンしました。大型スクリーンを用いた映像コーナーや重要文化財をはじめとする旧石器展示室、石器づくりができる体験学習室を備えています。遺跡は1978年に発見され、その後の発掘調査で11万点を超える旧石器時代の石器が出土しました。遺跡の保存のため、ダム建設に伴う粘土採取が断念され、遺跡は現状のまま保存されることになりました。
今金町教育委員会は、遺跡の保存に万全を期すため、1987年と1988年に分布調査を行い、遺跡が約20万㎡にわたることがわかりました。その後の発掘調査や史跡整備事業により、さらに多くの石器が出土しました。総数は20万点に及び、総重量は800kgにも達します。実際に発掘された面積はわずか1パーセントに過ぎず、未だに多くの石器がこの丘に残されているとされています。
この企画展「メノウ展」は、ピリカ旧石器文化館の開館20周年を記念して開催されるもので、地域の歴史と文化を知る貴重な機会となります。ぜひこの機会に足を運んでみてください。
旭川市博物館:あさひかわの縄文遺跡~神居古潭7遺跡の土器
旭川市博物館では、2023年4月22日(土)から5月28日(日)まで、第96回企画展「あさひかわの縄文遺跡~神居古潭7遺跡の土器」を開催いたします。この企画展では、神居古潭7遺跡から出土した土器を中心に、旭川の縄文時代の歴史を紹介しています。開催時間は午前9時から午後5時までで、入館受付は午後4時30分までとなっております。
ただし、2023年4月24日(月曜日)、5月8日(月曜日)、および5月22日(月曜日)は休館日となっているため、観覧できません。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催期間が変更になる可能性があることを予めご了承ください。高校生以上は常設展示室観覧料が必要です。
企画展関連事業として、「展示解説」が開催されます。発掘調査を担当した職員が、わかりやすく解説し、質問も大歓迎です。開催日時は2023年4月29日(土曜日)10:30~11:30および5月6日(土曜日)10:30~11:30で、旭川市博物館特別展示室内で行われます。対象はどなたでも参加可能で、事前申し込みは不要です。
さらに、ゴールデンウィーク期間中には、さまざまな体験イベントも開催されます。小学3年生以下の参加者は保護者の同伴が必要となります。イベントの内容は、土器作り、アイヌ文様のしおり作り、ストラップ作り、缶バッジ作り、コースター作りなどが予定されており、楽しい時間を過ごすことができます。
旭川市博物館の企画展「あさひかわの縄文遺跡~神居古潭7遺跡の土器」で、縄文時代の遺跡からの出土品を通じて、旭川の歴史に触れる貴重な機会をお見逃しなく。