梅雨の季節がやってきましたね。晴れた日が少なく、気分もどんよりと傾きがちですが、こんな時期こそ室内で過ごせる楽しみを見つけることが重要です。そこで今回は、まさにそんな雨の日にぴったりの場所、宮城県にある二つの博物館、地底の森ミュージアムと大崎市松山ふるさと歴史館をご紹介します。
これらの博物館は現在、それぞれ非常に興味深い企画展を開催しており、歴史や文化に関心のある方にとっては見逃せない展示となっています。地底の森ミュージアムでは「長町に操車場があったころ」というタイトルで、仙台の遺跡を巡る企画展を、一方大崎市松山ふるさと歴史館では「大崎市の瓦窯跡」というテーマで、地元の過去を掘り起こす企画展をそれぞれ開催しています。
これらの展示は、地元の歴史や文化について深く知ることができ、さらに、雨で外に出られない日でも楽しむことができるため、梅雨の時期に最適なアクティビティです。興味が湧いた方は、ぜひ実際に足を運んでみてください。
これからこのブログでは、それぞれの企画展の詳細と見どころを紹介します。どちらも見応え十分な内容となっており、訪れることで新たな発見や知識を得ることができます。それでは、一緒に歴史の旅を始めましょう。
地底の森ミュージアム:長町に操車場があったころ
この展覧会は、街の発展とともにその姿を変えつつある長町地区の、かつての重要な鉄道施設に焦点を当てています。このエリアは大正から平成にかけて、大規模な貨物列車の操車場として活用されていました。
特に注目すべきは、長町駅の東側に存在した遺跡、【長町駅東遺跡】です。この場所からは、駅弁のお茶を入れるための汽車土瓶など、当時の鉄道関連の生活道具や証拠が見つかっています。これらは、かつての人々がこの操車場でどのような生活を送り、どのように鉄道を利用していたかの重要な手がかりとなります。
本展では、東北福祉大学の地域創生推進センター「鉄道交流ステーション」の資料係の協力を得て、長町駅とその周辺地域の変遷を深く探ることができます。操車場が存在した時代から現代までの長町駅の歴史、変化、そして発展を追体験し、地元の人々や鉄道に関わる人々がどのようにその変化に対応し、成長してきたかを体感してください。
この企画展は、4月21日(金曜日)から7月17日(月曜日・祝日)まで開催され、地底の森ミュージアムの企画展示室でお楽しみいただけます。昔ながらの鉄道風景を思い起こしながら、地元の歴史と鉄道の役割について深く考える機会を提供します。みなさまのご来場を心からお待ちしております。
大崎市松山ふるさと歴史館:大崎市の瓦窯跡
大崎市松山ふるさと歴史館の特別企画展「大崎市の瓦窯跡」にようこそ。この展示は、古代の東北地方の政治の中心であった陸奥国府多賀城の建築に使用された瓦と、その瓦が焼かれた窯跡に焦点を当てています。
およそ1300年前の神亀元年(724年)に建設された多賀城政庁は、屋根に瓦を使用していました。しかし、驚くべきことに、その初期の建設で使用された瓦の大部分は、多賀城からかなり遠く離れた大崎市や色麻町で作られていたのです。これは、瓦製造の技術と生産の規模が、すでにこの時期に地域間で交換されていたことを示しています。
焼き物を製造した場所を窯跡(かまあと)と呼び、この展示では、大崎市内で瓦を生産していた窯跡や、瓦が発掘された遺跡を通じて、古代の生活の様子を探求します。これらの瓦窯跡は、過去の人々がどのように生活し、技術を発展させ、互いに交流していたかについての洞察を提供してくれます。
この展示は、令和5年6月10日(土曜日)から令和5年8月20日(日曜日)まで、午前9時30分から午後5時(最終入館は午後4時30分)まで開催されます。場所は、大崎市松山ふるさと歴史館、宮城県大崎市松山千石字松山428番地です。
古代の東北地方の政治、技術、文化について深く学び、理解するための機会として、この展示は絶好の機会となるでしょう。ぜひ、あなたも大崎市の瓦窯跡を通じて、日本古代の生活と技術を探求してみてください。