福島県小野町の小野町役場移転新築計画に関して、最近最終候補地が発表されましたが、その選定について、潜在的な問題が指摘されています。このブログ記事では、最終候補地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当する可能性があるという問題に焦点を当て、その影響と今後の対応について考察します。
福島県小野町は、役場庁舎の移転新築計画を進めており、最終候補地として小野新町の交流定住支援館「つどっておのまち」付近を選定しました。この場所は磐越道とあぶくま高原道路の小野インターチェンジ(IC)に近く、交通アクセスと防災面で立地条件が優れていると判断されました。しかし、この選定には文化財保護の観点から懸念が生じています。
最終候補地は、町が6カ所の建設候補地から絞り込んだもので、高速道路や国道349号沿いで交通網が充実していることや、水害リスクのない防災性、町有地を活用した開発が可能であることなどが選定条件とされました。しかし、この最終候補地には、周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する可能性があるという指摘があるため、慎重な検討が求められます。
この問題について、町は調査や測量の結果を踏まえて判断し、地権者への用地補償などが整い次第、建設に着手する予定です。今後の対応として、町は文化財保護と新庁舎建設の両立が求められることになります。このブログ記事では、最終候補地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する可能性について詳しく検証し、その影響と今後の対応について考察を深めていきたいと思います。
小野町新庁舎の建設候補地選定

福島県小野町の役場移転新築計画において、最終候補地が発表されました。このブログでは、最終候補地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当する可能性があるという問題を指摘し、小野町がどのように最終候補地を選定したのかを論理的かつ段階的に解説します。
まず、小野町は令和3年度に策定した「小野町公共施設等整備方針」に基づき、「小野町新庁舎建設基本計画(案)」を取りまとめました。これには新庁舎の建設候補地や建設規模、基本性能や導入機能、施設計画などの新庁舎建設の基本的な内容が含まれています。
建設候補地の選定フローは以下の通りです。まず、立地回避要素の検討と整備可能区域の抽出が行われました。これは、建設候補地の立地を回避する要素を検討・除外し、整備可能区域を抽出するためです。次に、第1次選定評価が行われ、整備可能区域をメッシュ(格子)状に区切り、解析・評価が行われました。その後、第2次選定評価が行われ、不適合メッシュを除外し、一定以上の集まりを持つメッシュ群を一つのエリアとして扱い、エリアにおける優位性を評価しました。最後に、建設候補地選定が行われ、エリア単位、メッシュ単位の評価結果の合計・平均点から総合的な評点を算出し、順位付けが行われました。
立地回避要素の確認項目には、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)、農業地域(農用地区域)、森林地域(国有林及び保安林)、自然公園加或(特別地域)、埋蔵文化財包蔵地、傾斜度30度以上の区域、河川・湖沼等水域、建築物の立地箇所、開発計画区域、道路、鉄道の敷地等、公園、緑地、既存土地利用区域等が含まれます。立地回避要素検討項目として、洪水浸水想定区域と過去の浸水区域が設定されました。
第1次選定評価では、土地の優位性を客観的かつ機械的に評価するために、整備可能区域を地理情報システム(GIS)を用いてメッシュ状に区切り解析・評価を行いました。さらに、条件として「接続道路のある敷地のみを整備可能区域として抽出」を追加し、第1次選定評価が実施されました。第1次選定評価項目では、「土砂災害警戒区域」、「洪水浸水想定区域」、「土地の傾斜度」などの人的被害が考えられる評価項目について評価ウェイトを1とし、「農業地域(農用地区域外)」、「森林地域」、「自然公園地域」、「鳥獣保護区(普通)」などの許可・申請等の期間を考慮する必要があるものの、工作物の新築は可能となる評価項目については、評価ウェイトを0.5として評価(加重平均)が行われました。
第2次選定評価では、整備可能区域から不適合なメッシュを除外し、一定以上の集まりを持つメッシュ群を一つの建設候補地(エリア)として抽出し、エリアにおける優位性を評価しました。第2次選定評価項目には、中心市街地との近接性、アクセス性、接続道路状況、上水道整備状況、土地取得の容易性、周辺環境状況、土地形状が含まれました。
最終的に、以下の6つの建設候補地(エリア)が選定されました。
- おの悠苑周辺
- 小野高校演習地周辺
- つどっておのまち近辺
- 小野インターチェンジ南西側
- 町中心部東側の山地
- 小野公園敷地内

小野町役場移転新築計画:適地選定シミュレーションの疑念

最終候補地に「周知の埋蔵文化財包蔵地」が含まれる可能性があることが懸念されています。これを受けて、最終候補地を選定したプロセスの問題点を以下に述べます。
まず、立地回避要素の確認項目には埋蔵文化財包蔵地が含まれていましたが、「第1次選定評価項目」および「第2次選定評価項目」には埋蔵文化財包蔵地がなぜか外されていました。これは、選定プロセスにおいて重要な要素が考慮されなかったことを示しており、最終候補地の適切性に疑問が生じます。
次に、地理情報システム(GIS)を用いた解析が実施されたとされていますが、各評価項目ごとの評価ウェイトの重み付け(加重オーバーレイ)を行った解析メッシュの提示がない点が問題です。解析メッシュの提示がないことで、選定プロセスの透明性が欠け、公平性に疑問が生じることが懸念されます。
さらに、建設候補地がありきで選定された可能性が指摘されています。特に、「つどっておのまち近辺」という候補地の評価値が高まるように項目の調整が行われたのではないかと疑われています。これが事実であれば、選定プロセスが公平でなく、特定の候補地に有利に働くような操作が行われた可能性があります。
これらの問題点から、最終候補地を選定したプロセスには、重要な要素の考慮漏れ、解析メッシュの提示不足、公平性に疑問が生じる項目調整など、いくつかの懸念が浮かび上がります。今後の移転新築計画においては、これらの問題点を充分に検討し、適切な対応が求められます。
移転新築計画の最終候補地は、実は遺跡?

最終候補地は「小野町移住情報プラザ つどっておのまち」の北側で、「お食事処伽羅」が現在立地しています。「つどっておのまち」は旧アルパイン独身寮として利用されていた場所です。周辺の遺跡地図によれば、「つどっておのまち」付近には奈良・平安時代の散布地である西馬番遺跡があり、さらに近隣には馬番遺跡があることが確認できます。
この事から、最終候補地周辺には歴史的な遺跡が存在しており、遺物が散布されている可能性が高いことが推測されます。詳細な遺跡地図により、直接的に該当せずとも遺物散布地としての記録が存在するため、開発面積的に試掘調査が必要となります。
また、現在計画地は大多数が森林であり、伐採後に複数箇所の試掘トレンチの設定が必要となります。これは、埋蔵文化財の存在確認に手間がかかることを意味しています。さらに、「小野町新庁舎建設基本計画」において現在のところ、試掘調査等の埋蔵文化財調査費用の想定が確認できないことから、適切な取り扱いが懸念されます。
もし、町役場の移転新築計画で適正な埋蔵文化財の取り扱いが示されなければ、今後の町内の埋蔵文化財調査にも影響を及ぼす可能性があるという懸念があります。
これらの情報を総合すると、最終候補地に埋蔵文化財が所在する可能性は高く、適切な調査と対応が必要であることがわかります。特に、現在の計画において埋蔵文化財調査費用の想定が不明な点を改善し、今後の町内の埋蔵文化財調査に悪影響を及ぼさないようにすることが重要です。適切な試掘調査を実施し、遺跡や遺物が発見された場合は、専門家や地域住民と協議しながら保存対策を立てる必要があります。
参考文献
財団法人福島県文化振興事業団 2002 『福島県文化財調査報告書408:福島空港・あぶくま南道路遺跡発掘調査報告16』福島県教育委員会他
財団法人福島県文化振興事業団 2005 『こまちダム遺跡発掘調査報告3』福島県文化財調査報告書424
おわりに

福島県小野町の小野町役場移転新築計画に関する埋蔵文化財への影響についてのブログでは、選定プロセスにおける問題点や、最終候補地に埋蔵文化財が所在する可能性について議論されています。
まず、選定プロセスにおいて、「立地回避要素」に埋蔵文化財包蔵地が含まれていたものの、「第1次選定評価項目」「第2次選定評価項目」からは外されていたことが指摘されています。また、地理情報システムを用いた解析において各評価項目ごとの評価ウェイトの重み付けが明確でなく、解析メッシュの提示がなされていないことも問題視されています。さらに、候補地の選定がありきで評価値が操作されることが疑われています。
次に、最終候補地に埋蔵文化財が所在する可能性については、周辺の遺跡地図から奈良・平安時代の散布地が存在することが分かり、試掘調査が必要とされています。しかし、現在計画地は森林であり、伐採後に複数箇所の試掘トレンチ設定が必要であることや、埋蔵文化財調査費用が確認できないことから心配されています。また、適正な埋蔵文化財の取り扱いが示されなければ、今後の町内の埋蔵文化財調査にも影響する可能性があると指摘されています。
総括として、小野町役場移転新築計画に関しては、選定プロセスの透明性向上や適切な評価基準の確立、埋蔵文化財への配慮が求められています。これらの対策を講じることで、地域の歴史・文化の継承に配慮した開発が進められ、地域住民や関係者の理解も得られやすくなると期待されます。