ぴえん

「最近、ニュースでRapidus(ラピダス社)の新工場が千歳市に建設されることが発表されたね。国産の次世代半導体生産が盛り上がってきているみたいだけど、そんな大規模な工場の新設に伴って、遺跡(埋蔵文化財)の取り扱いが気になるよね。」

さくら

「確かに、遺跡への影響は重要な問題だね。実は、Rapidus(ラピダス社)新工場が計画されている千歳市「千歳美々ワールド」周辺には、いくつかの遺跡があるんだ。この記事では、Rapidus社の新工場と遺跡への影響について詳しく紹介するよ。」

この記事では、次世代半導体生産を目指すRapidus(ラピダス社)の新工場建設が千歳市に決定したことを受け、遺跡の取り扱いや埋蔵文化財への影響について考察します。また、適切なワークフローによる文化財保護や今後発生する可能性のある大規模な発掘調査についても言及します。これにより、開発行為と遺跡保護のバランスを考慮し、埋蔵文化財の取り扱いに関する意識を高めることができるでしょう。(開発行為を否定するつもりは全くございません。

Rapidus(ラピダス社)の概要と新工場計画

Rapidus takes on the challenge of building Japan's next-generation semiconductor mass-production infrastructure
Rapidusは日本の次世代半導体量産基盤構築に挑戦

Rapidus株式会社は、2022年8月10日にトヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行の8社が総額73億円を出資し、先端半導体の国産化に向けて設立されました。代表取締役社長にはウエスタンデジタル日本法人の社長を務めた小池淳義、取締役会長に東京エレクトロン前社長の東哲郎が就任しました。2022年11月8日、経済産業省およびNEDOが公募を行ったポスト5G通信システムの基盤強化に関する先端半導体開発委託事業に採択され、政府から700億円の支援を受けることになりました。

第2次岸田内閣の骨太の方針では、民間企業への支援や次世代半導体の設計・製造基盤の確立が盛り込まれており、日米連携による次世代半導体の技術開発・量産化を進めることが表明されています。経済産業省は、最先端半導体技術センター(LSTC)を設立し、研究開発拠点としてのLSTCと将来的な量産製造拠点としてのRapidusを両輪として、日本の次世代半導体量産基盤の構築を目指します。

2022年12月13日には、IBMと提携し、まだ大量生産技術の確立されていないGAAトランジスタプロセス(2nm世代プロセス)製品の製造技術をライセンス購入することが決定しました。韓国のサムスン電子や台湾の最大手TSMCが既に微細化技術を活用した製品開発を進めている中、Rapidusは先行企業を追いかける形となります。

新工場は北海道千歳市に建設される予定で、試作ラインは2025年、量産ラインは2020年代後半の立ち上げを目標としています。新工場の建設と運営により、日本国内での半導体産業の活性化が期待されています。また、新工場では、環境に配慮したエネルギー効率の高い設備が導入される予定で、持続可能な半導体生産を実現することを目指しています。

さらに、Rapidusは国内外の半導体企業や研究機関との連携を強化し、技術革新と人材育成にも力を入れる予定です。これにより、日本の半導体産業が国際競争力を高めることができると期待されています。

Rapidusの設立と新工場計画は、半導体の国内生産と技術開発を促進するための重要な取り組みであり、今後の日本経済に大きな影響を与えることが予想されます。政府や関係企業、研究機関との連携を通じて、日本の半導体産業が新たなステージへと進化することを目指しています。

Rapidusの工場建設候補地は千歳市「千歳美々ワールド」

Rapidus' new plant is located in Chitose City, Hokkaido, Japan!
Rapidus社の新工場は北海道千歳市の「千歳美々ワールド」へ!

Rapidus社は、新工場の建設予定地として北海道千歳市の「千歳美々ワールド」というエリアを選定しました。千歳美々ワールドは、広大な土地面積を持ち、北海道新千歳空港からのアクセスも良好であるため、国内外からの物流や技術者の往来に適した立地条件が整っています。また、千歳市は自然豊かな環境に恵まれており、新工場で働く従業員にとっても魅力的な生活環境が提供されると考えられます。

さらに、千歳美々ワールド周辺には半導体関連の産業や研究施設が集積しており、Rapidus社は、これらの施設との協力を通じて、半導体技術の研究開発や人材育成に取り組むことができます。千歳美々ワールドは、日本の半導体産業の新たな拠点として期待されており、Rapidus社の新工場建設は、その発展に大きく貢献することが予想されます。

また、千歳美々ワールドに新工場を建設することで、地域経済の活性化にもつながります。新工場の建設や運営により、雇用創出や地元企業との取引が増えることが見込まれ、千歳市や周辺地域の経済発展に寄与することが期待されています。

このように、千歳美々ワールドは、Rapidus社にとって理想的な新工場建設地であり、半導体産業の発展や地域経済の活性化に大きな役割を果たすことが予想されます。

「千歳美々ワールド」は北海道千歳市工業団地です。 第一期用地はすでに供用済みで、「セイコーエプソン(株)」等が立地している。 その中で今回、Rapidus(ラピダス社)の工場新設予定地(生産地区)は第二期用地と考えられます。「千歳美々ワールド」第二期用地は造成されておらず、空中写真で確認する限り、現在ほぼ原野。新規に工場新設に当たっては上水道・下水道・特別高圧電力受電設備等のインフラの引き込み工事も含めてのかなり大規模な造成工事が必要と考えられます。第一期用地にも学術・研究地区(136,823平方メートル)の配置が予定されている可能性あり。 生産地区の面積は、447,817平方メートルほどで、「千歳美々ワールド」第二期用地のA・Bのほか、面積的にCブロック・Gブロックにも施設配置か、いずれにしろ新規の造成が必要そうですね。

Rapidus(ラピダス)新工場予定地の遺跡

Is the site of the planned new plant a "well-known buried cultural property inclusion site"?
新工場計画地は「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当か?

千歳美々ワールド周辺では、これまでの遺跡分布調査等によって、また近隣に新千歳空港という大規模な発掘調査が実施された地点があるだけに、詳細にいくつかの考古学的遺跡が発見されています。これらの遺跡(周知の埋蔵文化財包蔵地)は、地域の歴史や文化に関する貴重な情報を提供しており、適切な取り扱いが求められています。

We are considering the possibility that the site where Rapidus is planning to build a new plant in Chitose City may be a buried cultural property inclusion site.
出典:地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)に埋蔵文化財包蔵地ポリゴン(https://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/bnh/kitanoisekiannai.html,北海道教育庁生涯学習推進局文化財・博物館課)を追加、Transparent overlay processing.

千歳美々ワールド第二期A・Bブロックは「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当していません。しかし、C・Gブロックは見方によっては該当。千歳市の取扱い細則が不明なためわかりませんが、「周知の埋蔵文化財包蔵地」隣接地は確実なので面積的にも試掘調査は確実に必要そうですね。また、「千歳美々ワールド」第一期用地Fブロックに計画されている学術・研究地区も「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当しているのではないでしょうか。見るかぎる「パンケビビ10遺跡」に丸ごと該当してそうですね。

Rapidus(ラピダス)新工場:生産地区北側に近接して分布する遺跡

名称パンケビビ6遺跡
登載番号A-03-233
所在地千歳市美々758
種別集落跡
時代擦文時代
立地美々川右岸の低位段丘
標高7~15 m
出土遺物
パンケビビ6遺跡 詳細情報
名称パンケビビ7遺跡
登載番号A-03-234
所在地千歳市美々758
種別遺物包含地
時代縄文時代,擦文時代
立地人造湖 千歳湖を北に望む台地
標高20~23 m
出土遺物
パンケビビ7遺跡 詳細情報
名称パンケビビ13遺跡
登載番号A-03-255
所在地千歳市美々758
種別遺物包含地
時代縄文時代(早期),縄文時代(前期)
立地美々川支流右岸段丘
標高10~23 m
出土遺物土器、掻器・Rフレイク・フレイク
パンケビビ13遺跡 詳細情報

Rapidus(ラピダス)新工場:生産地区南側に近接して分布する主な遺跡

名称美々貝塚北遺跡
登載番号A-03-227
所在地千歳市美々758-1
種別貝塚
時代縄文時代(前期)
立地美々川右岸に注ぐ小沢左岸段丘
標高10~27 m
出土遺物
美々貝塚北遺跡 詳細情報
名称美々貝塚
登載番号A-03-211
所在地千歳市美々758
種別貝塚
時代縄文時代(前期)
立地美々川右岸、2つの支流に挟まれた段丘上
標高20~24 m
出土遺物
美々貝塚 詳細情報
名称美々17遺跡
登載番号A-03-293
所在地千歳市美々1292-1269地先
種別遺物包含地
時代縄文時代(前期)
立地沢に挟まれた台地
標高18~20m
出土遺物土器・剥片・礫
美々17遺跡 詳細情報
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埋蔵文化財の影響と今後の発掘調査

Rapidus社の新工場建設に伴い、埋蔵文化財の影響と今後の発掘調査についても重要な課題となります。北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)は、埋蔵文化財の保護を目的として、事前協議や所在調査・試掘調査を行っています。

事前協議と所在調査・試掘調査

工場建設の計画が進められる前に、埋蔵文化財の有無について確認するため、Rapidus社は北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)と事前協議を行います。この協議では、工場建設によって埋蔵文化財が破壊されないよう、工事の範囲や深さを調整することが検討されます。

事前協議の結果、埋蔵文化財が存在する可能性がある場合は、所在調査が行われます。所在調査では、教育委員会が工事予定地を実際に調査し、文化財の有無や開発歴などを確認します。詳細な調査が必要と判断された場合には、試掘調査が行われます。試掘調査では、文化財の有無・範囲・深さ・内容などを調べるため、小規模な発掘が実施されます。

埋蔵文化財保護のための取り扱い

所在調査・試掘調査の結果に基づき、埋蔵文化財保護のための取り扱いが検討されます。具体的な取り扱い方法は、工事の内容や文化財の保存状態などに応じて決定され、以下のような種類があります。

  • 現状保存: 埋蔵文化財が存在する区域を施工範囲から除き、現状のまま保存する。
  • 発掘調査: 工事によって埋蔵文化財が破壊されることが避けられない場合や、今後調査できなくなる場合に、工事前に発掘を行って文化財の詳しい記録を残す。
  • 工事立会: 埋蔵文化財への影響が小さいと判断される工事の場合に適用されます。教育委員会の職員が実際の施工に立ち会い、工事によって文化財の破壊が生じていないことを確認します。また、周知の埋蔵文化財包蔵地に隣接する場所などで、工事が文化財に影響を与える心配がある場合には「念のため工事立会」として工事立会を実施することがあります。
  • 慎重工事: 埋蔵文化財の存在する土地で工事が行われるが、文化財が深く埋まっているなどの理由で工事による影響はないと考えられる場合の取り扱いです。

Rapidus社の新工場建設と埋蔵文化財の取り扱い

Rapidus社の新工場建設においても、これらの手続きが遵守されることが期待されます。事前協議を通じて、工場建設が埋蔵文化財に影響を与える可能性がある場合は、適切な調査や対策が講じられることになります。

今後の発掘調査によって、新たな文化財が発見される可能性もあります。このような場合には、調査結果を元に工場建設計画の見直しや、埋蔵文化財の保護対策を検討することが求められるでしょう。

Rapidus社と北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)が連携し、適切な手続きを行うことで、新工場建設が埋蔵文化財の保護に配慮しながら進められることが期待されます。これにより、地域の歴史や文化を守りつつ、経済発展にも寄与することが可能となるでしょう。

まとめ

Can the Hokkaido Board of Education and Chitose City Board of Education (Chitose City Buried Cultural Properties Center) investigate?
北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)は調査できるのか?

本記事では、北海道千歳市のRapidus社による新工場建設計画に関連して、埋蔵文化財の保護がどのように考慮されているかについて検討しました。工場建設予定地「千歳美々ワールド」は、複数の周知の埋蔵文化財包蔵地に該当もしくは隣接しており、埋蔵文化財の保護と新工場建設の両立が重要な課題となっています。

Rapidus社が届出を提出した後、早ければ雪解けの時期に試掘調査が着手される可能性があります。計画地内全面積が発掘調査になると、現地の発掘調査だけでも1年以上かかると予想されます。また、西側の近くにある新千歳空港内には、異常なまでの遺物濃密分布が見られる伝説級の「美沢川流域遺跡群」が存在します。

このため、「千歳美々ワールド」第二期用地A・Bブロックの埋没谷に遺跡が分布した場合、一般的な手法では複数年に及ぶ発掘調査が必要となり、工事着手に影響が出る可能性があります。

Rapidus社と北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)は連携し、適切な手続きを行うことで、新工場建設が埋蔵文化財の保護に配慮しながら進められることが期待されます。適切な調査や対策が講じられることで、埋蔵文化財の保護と新工場建設の両立が可能となります。また、新たな発掘調査によって文化財が発見された場合、調査結果をもとに工場建設計画の見直しや保護対策が検討されることが求められるでしょう。

このような状況を踏まえた上で、Rapidus社と北海道教育委員会・千歳市教育委員会(千歳市埋蔵文化財センター)が協力し、地域の歴史や文化を守りつつ、経済発展にも寄与する新工場建設計画が実現されることが期待されます。