我々の過去を探求し、歴史の謎を解明するために、遺跡の発掘調査は不可欠な活動となっています。その中でも、青森県埋蔵文化財調査センターは積極的に発掘調査を行い、我々の歴史に光を当てる重要な役割を果たしています。今回、同センターから新たな発掘予定遺跡の一覧が公開されました。これらの遺跡は我々の過去を紐解き、地域の歴史、そして日本全体の歴史に深い洞察を提供することが期待されています。

この記事では、公開された遺跡一覧の詳細について、遺跡名、所在地、調査予定の期間、関連する事業名について詳述します。また、これらの遺跡の発掘調査についての最新情報を紹介します。

地元の歴史に興味がある方、考古学に関心がある方、または青森県の歴史や文化遺産についてもっと学びたいと考えている方々にとって、この情報は非常に価値があるものとなるでしょう。さらに、埋蔵文化財の発掘作業に関心がある方にとっても、新たな発掘予定遺跡とその詳細を知ることは、次のステップを踏み出すための重要な情報となります。

さあ、一緒に青森県の新たな発掘予定遺跡の世界を探検しましょう。これらの遺跡が私たちにどのような新たな歴史的洞察を提供するのか、期待と興奮に満ちた探検が始まります。

令和5年(2023)発掘予定遺跡

Aomori Prefecture Archaeological Research Center releases list of sites to be excavated this year
青森県埋蔵文化財調査センター令和5年(2023)発掘予定遺跡 出典:https://www.ao-maibun.jp/hakkutu/hakkutu_2023.html

青森県埋蔵文化財調査センターが今年の発掘予定遺跡一覧を公開しました。以下にその詳細をまとめていきます。

まず、青森市にある「郷山前村元遺跡」です。この遺跡は1,800m2の範囲に及びます。5月9日から7月28日までの期間、常海橋銀線道路改築事業の一環として発掘調査が行われています。

次に、「鉢森平遺跡」です。こちらは七戸町に位置し、1,450m2の遺跡範囲が確認されています。鉢森平遺跡も郷山前村元遺跡と同様に、5月9日から調査が開始されており、8月10日まで続きます。調査は国道394号榎林バイパス道路改築事業に伴うものとなります。

9月から開始予定の遺跡調査も2つあります。まずは「林ノ後遺跡」。横浜町にあるこの遺跡は3,000m2と今回の中で最も広い範囲を調査します。調査期間は9月1日から10月27日までで、国道279号横浜北バイパス道路改築事業に伴って行われます。

同じく9月に調査が始まるのが弘前市の「鳴瀬遺跡」です。こちらは900m2の範囲を有し、9月5日から11月30日までの調査が予定されています。調査は弘前柏線道路改築事業に関連しています。

最後に、「米山遺跡」です。青森市に位置し、1,000m2の範囲を調査します。この遺跡の発掘調査は6月6日から始まり、9月22日まで行われます。この調査は新青森県総合運動公園整備事業の一部です。

これらの遺跡に関する発掘調査には専門の作業員が求められます。青森県埋蔵文化財調査センターは既に作業員の募集を開始しています。未来の歴史を掘り起こす手助けをするために、興味がある方はぜひ応募してみてください。

The Aomori Prefecture Archaeological Research Center has already begun recruiting workers.
青森県埋蔵文化財調査センターは既に作業員の募集を開始しています。
所在地遺跡名面積
(平米)
期間事業名
1青森市 郷山前村元ごうざんまえむらもと 遺跡 1,8005/9~7/28常海橋銀線道路改築事業
2七戸町鉢森平はちもりたい (7)遺跡1,4505/9~8/10国道394号榎林バイパス道路改築事業
3横浜町林ノ後はやしのうしろ 遺跡 3,0009/1~10/27国道279号横浜北バイパス道路改築事業
4弘前市鳴瀬なるせ 遺跡9009/5~11/30弘前柏線道路改築事業
5青森市米山よねやま (2)遺跡1,0006/6~9/22新青森県総合運動公園整備事業
発掘予定遺跡一覧

各遺跡の詳細(過年度調査の概要)

Details of the site to be excavated in 2023
令和5年(2023)発掘予定遺跡の詳細

郷山前村元遺跡(青森県青森市)

青森市に位置する郷山前村元遺跡からは、過去の調査で平安時代中期の円形周溝、溝状遺構、土坑が検出されています。これらの遺構は、白頭山苫小牧火山灰の降下前後に構築され、廃棄されたことを示唆しています。特に注目すべきは、土坑から出土した炭化種実塊です。これにはキビ、アワ、イネ、アサ、ソバが確認されており、これらは平安時代の食生活についての重要な情報源となります。参考文献:青森県埋蔵文化財調査センター 2018 『青森県埋蔵文化財調査報告書591:熊沢溜池遺跡・上野遺跡3・郷山前村元遺跡』青森県教育委員会

鉢森平(7)遺跡(青森県七戸町)

鉢森平(7)遺跡は昨年度からの調査が続いており、二ツ森貝塚の西、約1.7kmの地点に位置しています。段丘縁辺に立地し、これまでの調査で竪穴建物跡、土器埋設遺構、土坑、溝状土坑、柱穴などが見つかっています。

特に注目すべきは、縄文時代後期前葉に建てられたと考えられる竪穴建物跡です。これらの建物跡からは床面の中央に焼け込んだ炉跡や、平らな石をコの字状に組んだ石囲炉が確認されています。また、「フラスコ状土坑」と呼ばれる特殊な形状の土坑からは、完全な形に近い土器が出土しています。これらの出土品は、当時の生活や技術についての貴重な情報を提供しています。

さらに、遺跡からは縄文土器や石器が大量に出土しています。その中には、縄文時代後期前葉の「十腰内I式」土器や石鏃・石箆などが含まれています。これらの遺物は、縄文人の日常生活や狩猟活動、そして祭りや儀式などの様子を垣間見ることができます。中でも注目すべきは、内部に赤色顔料が付着した「鳥形土器」や、「キノコ形土製品」です。これらは特別な意味を持つものと考えられ、キノコ形土製品は鳥形土器の蓋として使用されていた可能性があります。

なお、鉢森平(7)遺跡の特徴的な発見の一つとして、段丘縁辺全域に散在する細長く深い溝状土坑があります。これらは狩猟の際に使用する落とし穴と考えられており、遺跡が狩猟場としても利用されていた可能性を示唆しています。

鉢森平(7)遺跡は「史跡二ツ森貝塚」との関連性を持つと考えられています。二ツ森貝塚は縄文時代前期中頃から中期後半の約1,500年間にわたって人々が暮らしていた集落で、鉢森平(7)遺跡の調査によって、人々が二ツ森貝塚から去った数百年後に同じ段丘上に新たな集落が営まれていたことがわかりました。

林ノ後遺跡(青森県横浜町)

林ノ後遺跡は、横浜町役場から東に約1kmの地点に位置し、陸奥湾を西に臨みます。この地点は南北を三保川と田ノ沢川に挟まれた標高約30mの段丘上に立地しており、その周囲はいくつもの河川によって開析されています。横浜町域には、これら河川近くの段丘上に、縄文時代・平安時代・中世などの遺跡が点在しています。

過去の調査では7基の溝状土坑が確認されています。これらは縄文時代の落とし穴と考えられており、一定の間隔を置いて並んでいます。遺跡全体からは具体的な遺物は出土していませんが、地域全体の傾向からすると、これらの溝状土坑は縄文時代の狩猟場として利用されていた可能性が高いと考えられます。

鳴瀬遺跡(青森県弘前市)

鳴瀬遺跡は岩木川の左岸に位置しており、古代から中世の年代で付近には三世寺板碑群や中崎館遺跡などの中世の遺跡もあり、これらとの関連性も期待されています。

過去の調査では堀跡とみられる遺構が検出され、堀跡は方形の平面形を持ち、深さは約1.6mで、試掘調査で検出された堀跡とは位置が異なるため、現時点での関係は不明です。しかし、堀跡から土師器片が2点出土し、その出土位置から平安時代以降の遺構である可能性が示唆されています。本報告はまだ確認できないです。

米山(2)遺跡(青森県青森市)

米山(2)遺跡は、青森市の東部、宮田地区に位置しており、新青森県総合運動公園内の野球場建設に伴い、平成28年度から調査が開始されました。本遺跡は東側に標高648mの東岳からの土石流などの影響を強く受ける地形環境にありながら、周辺には上野尻遺跡や宮田館遺跡など、縄文時代や平安時代から中世の集落跡が見つかっており、この地域が古代からの生活の舞台であったことを示しています。

米山(2)遺跡は、中世と縄文時代の複合遺跡であり、過去の調査により、その特徴がより明確になりました。中世の遺構ではカマド状遺構14基、井戸跡を含む土坑6基、溝跡6条、柱穴105基を検出。これらの柱穴配置からは、少なくとも2棟の建物跡の復元が可能であると見られます。また、縄文時代の遺構としては、捨て場1カ所と土坑8基が検出され、自然流路の窪みが遺物の廃棄場所として利用されていたことが明らかになりました。

遺物については、縄文時代後期後半の土器や石器が主体を占め、段ボール箱で111箱分が出土しました。その中には注口土器や深鉢形土器、石鏃や剥片石器、敲石などの礫石器が含まれています。また、珠洲焼の擂鉢と青磁片が1点ずつ出土し、中世の遺物は数は少ないですが、年代観を得るための貴重な発見となりました。

遺跡の特性を見ると、中世の集落では、建物跡の周辺にカマド状遺構や井戸跡が分布している状況が明らかになりました。これらは500-600年前の村の跡と推測されています。一方、縄文時代の集落では、3,000-3,500年前に6本の柱を亀甲形に建てた掘立柱建物跡が環状に縄文時代の集落では、3,000-3,500年前に6本の柱を亀甲形に建てた掘立柱建物跡が環状(短径約65m)に並んでいたことが明らかになりました。集落の配置からは、建物跡の脇の自然流路が廃棄物処理の場所として利用されていたことが分かります。また、集落全体を視野に入れると、同様の捨て場が他にも見つかっており、調査予定範囲にも存在が確認されています。これらの遺物から、集落の生活スタイルや文化的特性がより詳細に解明されると期待されています。

また、重要な点として、米山(2)遺跡の近くには同じく掘立柱建物跡を環状に配置する縄文時代後期後葉の上野尻遺跡が存在します。これらの遺跡は時間を通じての生活様式や文化的変遷を理解する上で重要な比較対象となります。遺跡から出土した遺物の中には、ミニチュア土器などの土製品に加えて、ヒスイの可能性もある玉類や人の形に似た石偶などの石製品も含まれています。これらの出土品からは、当時の生活や宗教観、さらには技術のレベルについても知ることができます。

全体として、米山(2)遺跡の調査は、縄文時代と中世の生活スタイル、そしてこれらの時代を通じての文化的変遷を理解するための重要な情報を提供しています。遺跡の保存と研究が続けられることで、我々は更なる歴史的知識と理解を深めることができるでしょう。

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求人募集内容:埋蔵文化財発掘作業員

Excavation Workers Wanted for Buried Cultural Properties Excavation
埋蔵文化財発掘作業員を募集

青森県埋蔵文化財調査センターでは、鳴瀬遺跡と林ノ後遺跡の発掘調査に向けて、埋蔵文化財発掘作業員を募集しています。

鳴瀬遺跡では、15名の作業員を採用予定です。仕事内容は、スコップや移植ベラを使用した土の掘削作業、一輪車による土の運搬、そして機材の整理や清掃など、遺跡発掘作業及び関連業務を担当します。作業は屋外で行われ、体力を必要とします。採用後、最初の15日間は条件付きの採用期間となります。また、作業状況により発掘調査期間が延長される場合もありますが、その場合の採用は勤務実績に基づきます。勤務地は、青森県弘前市大字三世寺字鳴瀬の鳴瀬遺跡です。時給は991円(日給7,190円)で、通勤手当も実費支給(上限あり)となります。勤務時間は8時30分から16時45分までで、マイカー通勤が可能であり、駐車場も無料です。(応募締め切りは令和5年6月23日)

同様に、林ノ後遺跡でも20名の作業員を採用予定です。仕事内容や条件は鳴瀬遺跡と同様です。勤務地は青森県上北郡横浜町字林ノ後地内の林ノ後遺跡となります。(応募締め切りは令和5年6月27日)

いずれも季節パートの求人で、地域の文化遺産保護に関心のある方や、遺跡発掘に興味がある方には良い機会となります。個々の遺跡について深く理解を深めながら、貴重な体験とスキルを得ることが可能です。

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