【彦根城】おすすめ最新書籍５選（2023年9月版）

彦根城、その堂々とした姿や歴史的背景は日本の城郭文化を象徴するものとして数多くの人々に愛されてきました。この城は単なる建造物ではなく、歴史や文化、人々の心の中に刻まれたエピソードや伝説を持つ、生きた証として今も私たちの前に立ちはだかっています。しかし、実際に彦根城を訪れる前に、その魅力や背景を深く知ることで、一層の感動や理解を得ることができるのではないでしょうか。そこで今回は、彦根城をより深く知るための5冊の書籍をご紹介します。それぞれ異なるアプローチで彦根城の魅力を解き明かしており、初心者から研究者まで、あらゆる人々のニーズに応える内容となっています。さあ、彦根城の深層を探求する旅に一緒に出かけましょう！

彦根城 (図説 日本の城と城下町⑦)

【基本情報】

• タイトル: 彦根城 (図説 日本の城と城下町⑦)
• 監修: 母利 美和
• 出版社: 創元社
• 発売日: 2023/7/18

【書籍の内容】

1. 彦根城の歴史:
   彦根城は、大坂城を警戒する目的で生まれ、時代と共に変遷してきました。徳川家の重臣であった井伊家の居城として、大坂城包囲のために生まれ、元和の大改造を経て、戦争の要塞から平和の象徴へと華麗に転身を遂げています。
2. 彦根の城下町:
   本書では、彦根の城下町を詳しく探訪しています。琵琶湖畔の低湿地を開拓して生まれた町割りや、武家や足軽（Ashigaru）の屋敷など、井伊家による町の歴史や文化が今も色濃く受け継がれている様子を感じ取ることができます。
3. 彦根の文化:
   彦根は、北国や東国から畿内（Kinki region）へと進入する玄関口として、独自の文化を育んできました。本書では、この独自の文化や、江戸時代から続く伝統などを紹介しています。
4. スペシャルインタビュー:
   滋賀県出身の直木賞作家・姫野カオルコ氏のインタビューも収録されています。彦根城や城下町の真の魅力を、地元の文化や風物を作品に取り入れている作家から直接学べる内容となっています。

【著者について】
母利美和氏は、兵庫県出身で、京都女子大学文学部の教授を務めています。彼女は日本近世の政治や社会史を専門としており、彦根城博物館の学芸員として彦根藩政史や大名文化研究を推進してきました。彼女の他の著書には『幕末維新の個性6　井伊直弼』や『新修彦根市史』などがあります。

この『彦根城 (図説 日本の城と城下町⑦)』は彦根城やその周辺の歴史、文化、風物を網羅的に紹介しており、歴史好きはもちろん、彦根を訪れる予定の方や地元をもっと知りたい方にもおすすめの1冊と言えます。

日本の城DVDコレクション 50号 (彦根城)

【基本情報】

• タイトル: 日本の城DVDコレクション 50号 (彦根城)
• 出版社: デアゴスティーニ・ジャパン
• 発売日: 2022/1/4

【内容の特長】

1. 歴史ミステリーの再編集版DVD:
   このシリーズは、2015年にBS朝日で放送された『歴史ミステリー日本の城見聞録』を基に再編集されたDVDが含まれています。これにより、視聴者はテレビ放送時とは異なる新しい視点やアングルから名城の魅力を堪能できます。
2. 普段アクセスできないエリアの探訪:
   DVDでは、一般公開されていないエリアや、特別な場所へのアクセスが可能となり、城の隠された仕掛けや罠をリアルに体感することができます。
3. 深掘りマガジンの同梱:
   このセットには、番組内容をさらに詳細に掘り下げたマガジンも同梱されています。このマガジンを通じて、城の縄張（layout）や戦略的な仕掛け、攻める側の視点からの詳細な解説などを学ぶことができます。
4. 歴史的エピソードの紹介:
   彦根城に関連する歴史的エピソードや、その建造に関わった人物の背景なども網羅的に取り上げられています。これにより、彦根城の魅力を多角的に感じ取ることができます。

『日本の城DVDコレクション 50号 (彦根城)』は、彦根城の歴史や魅力を多面的に知ることができる素晴らしいセットです。歴史好きや城巡りを楽しむ方々には、ぜひ手に取っていただきたい1冊と言えるでしょう。

彦根城を極める

書籍情報

• タイトル: 彦根城を極める
• 著者: 中井 均
• 出版社: サンライズ出版
• 発売日: 2007/2/17

彦根城は日本の城郭史において、その美しさと堅牢さで知られています。そして『彦根城を極める』は、この名城の魅力を存分に伝えるための指南書として、ファンや訪問者には必携の1冊です。

【本書の特徴】

1. 詳細な城郭構造の解説:
   彦根城の堀、土塁、石垣、瓦など、一見単なる建造物に見えるものも、城郭としての役割や機能があります。カラー写真とともに、それらの構造や縄張り（layout）の見どころや意味を詳しく解説しています。
2. 彦根城の見学ルートガイド:
   本書は、彦根城を歩く際のガイドブックとしても非常に役立ちます。具体的な見学スポットやルート、重要な建物やエリアを挙げると:
   • 本丸・天守や天守の内部
   • 佐和口多聞櫓や太鼓門櫓
   • 西の丸三重櫓や米蔵
   • 山崎丸や大手門
   • 玄宮園・楽々園槻御殿など
   これらのスポットでの詳細な解説が含まれており、訪問者は城の深い歴史や背景をより深く理解することができます。
3. 郭外の探訪:
   彦根城の魅力は、城郭内だけに留まりません。城の周辺には御門跡や寺町、商家や足軽組屋敷など、歴史的な背景を持つエリアや建物が点在しています。本書ではこれらのエリアも取り上げ、彦根城の全貌を描き出しています。
4. 佐和山城跡の紹介:
   彦根城と併せて、佐和山城跡についても解説が含まれています。これにより、彦根城だけでなく、その周辺の歴史や風景も楽しむことができます。
5. 彦根城略年表の掲載:
   彦根城の歴史を時系列で簡潔に知ることができる略年表が掲載されており、読者は彦根城の背景や変遷を一目で把握することができます。

『彦根城を極める』は、彦根城の魅力や歴史、建造物の詳細な背景などを網羅的に学ぶことができる書籍です。彦根城を訪れる際や、日本の城郭に興味を持つ方には、この1冊は絶対に読むべきと言えるでしょう。

はじめてのお城ガイドマップ彦根城（滋賀県）特別版

『はじめてのお城ガイドマップ彦根城（滋賀県）特別版』は、城に興味を持つ方々がより深く、実際の城めぐりを楽しめるように設計されたガイドマップです。公益財団法人日本城郭協会理事である専門家、加藤理文先生が監修したこのマップは、初心者向けに特化した内容を提供しています。

まず、このガイドマップの最大の特徴は、案内マップに加えて、城郭の想定復元イラストが描かれたクリアファイルがセットになっている点です。この復元イラストを通じて、かつての彦根城の姿を想像することができます。更に、専門家による解説動画が付属しているため、現地での観光時や事前学習、復習時に活用できるのです。

さらに、コロナ禍での観光の制約を考慮し、大人数でのツアーや専門家によるガイド付きツアーが難しい現状を踏まえ、スマートフォンやタブレットを使用して、QRコード経由で専門家の解説動画を視聴できるシステムが採用されました。これにより、観光者は彦根城内での観光ポイントや、一般的な観光案内では取り扱われない詳細な情報を、現地でリアルタイムに学ぶことができます。

また、ガイドマップ自体が、雨に強く、破れにくい特性を持つ「ユポ紙（Yupo paper）」で作成されており、どんな天候下でも安心して使用することができます。

このガイドマップの使用方法として、初心者やお城に興味を持ち始めた方は、想定復元イラストやエピソードを通じて彦根城の歴史や文化を学びながら、具体的な観光ポイントや周辺の観光情報をチェックすることがおすすめです。既にお城めぐりを楽しんでいる方は、歴史や構造、関連人物の解説を深く読み込み、加えて、立体地図を使用して高低差を把握することで、彦根城の地理的な特性や戦略的な意義を理解することができます。

最後に、特別版の内容として「彦根（創建時）」のイラストが香川元太郎氏によって描かれており、中井均氏が考証を担当しています。

『はじめてのお城ガイドマップ彦根城（滋賀県）特別版』は、歴史愛好者はもちろん、彦根城を訪れる全ての観光者にとって、価値ある情報と体験を提供する素晴らしいガイドブックとなっています。

近江佐和山城・彦根城

近年、彦根城が再評価される中、『近江佐和山城・彦根城』（サンライズ出版、2007年発売）は、滋賀県に存在した二つの歴史的な城、佐和山城と彦根城に焦点を当てた書籍である。城郭談話会（City Fortification Discussion Group）の著によるこの本は、両城の歴史、構造、そして古文書をもとにした詳細な考察を提供している。

彦根城の近く、国道8号のトンネルが存在する山上には、かつて佐和山城が存在していた。この城は北側に表門を有し、東山道の景色が望める絶好の位置にあった。しかしながら、関ケ原の戦いを経て、井伊直政が佐和山城を授けられるも、山城としての立地を不適切と判断。その結果、井伊直継および井伊直孝により、18年の歳月をかけて彦根城が築かれることとなった。

この書籍の特徴的な部分は、歴史的背景だけでなく、具体的な城の構造、縄張り（nawabari、城のレイアウトや計画）、石垣、そして建築にまで踏み込んで解説している点にある。例えば、「彦根城の縄張り」や「彦根城の登り石垣について」などの章では、彦根城の特有の特徴や、他の城との違いなどを深く探求している。

また、特別付録として、佐和山城、彦根城、そして彦根城古図の3つの附図（付図、illustrative maps）が提供されており、これにより読者は文字だけでなく、視覚的な情報からも両城の概要を理解することができる。

この『近江佐和山城・彦根城』は、城郭や日本の歴史に関心がある読者だけでなく、彦根城や佐和山城に訪れる予定の観光客にもおすすめできる。詳細な内容と附図により、実際に城を訪れた際に、より深くその歴史や背景を感じ取ることができるであろう。

まとめ

彦根城、日本の歴史的要塞としての役割や美しい構造が多くの研究者や愛好者によって称賛されているのは、その歴史や美学的価値の高さからである。本ブログでは、この素晴らしい城に関する5冊の書籍を紹介しましたが、それぞれ異なる視点や情報を提供しており、彦根城の魅力をより深く知るための完璧なガイドとなっています。

まず、『彦根城 (図説 日本の城と城下町⑦)』は、彦根城の歴史や建築スタイルに加え、城下町としての彦根の成り立ちや発展を視覚的に説明しています。図説（illustrated explanation）形式で、初心者でも理解しやすい内容となっており、彦根城とその周辺の文化や歴史の全体像を捉えることができます。

次に、『日本の城DVDコレクション 50号 (彦根城)』は、映像メディアを活用して彦根城の魅力を伝えるもの。実際の城の映像や再現ドラマなどを通じて、文字だけでは伝わりにくい情緒や空気感を感じることができます。

『彦根城を極める』は、彦根城の研究者や愛好者必携の一冊と言えるでしょう。深いリサーチと詳細な情報が満載で、彦根城の細部にまで踏み込んだ知識を求める人には最適です。

一方、初めて彦根城を訪れる方や、基本的な情報を手軽に得たい人には、『はじめてのお城ガイドマップ彦根城（滋賀県）特別版』がおすすめです。ガイドマップ形式で、観光ルートや見どころ、そして城の基本的な情報が手軽に把握できる構成となっています。

最後に、『近江佐和山城・彦根城』は、彦根城だけでなく、その近くに存在した佐和山城にも焦点を当てています。両城の関係性や、それぞれの歴史的背景を詳細に探求しており、彦根地域の城郭文化を総合的に理解するのに役立つ一冊です。

これらの書籍やDVDを通じて、彦根城の深い歴史や文化、そしてその美しい姿を知ることができるでしょう。興味を持った方は、ぜひ実際に彦根城を訪れて、その魅力を直接体感してみてください。