ゴールデンウィークがもうすぐやってきますね!この大型連休を利用して、大阪府を訪れてみませんか?大阪府は、歴史や文化に溢れる魅力的な場所ですが、特に今回は博物館展示にスポットを当ててみました。大阪府内には数多くの博物館がありますが、その中でも厳選した7つのオススメの博物館展示を紹介したいと思います。
これらの展示は、歴史や考古学、民族学、キリスト教文化、土木遺産など、幅広いジャンルにわたりますので、どんな趣味嗜好の方にもきっと楽しんでいただけると思います。それでは、今城塚古代歴史館、国立民族学博物館、高槻市しろあと歴史館、堺市博物館、大阪府立狭山池博物館、茨木市立キリシタン遺物史料館、そして藤井寺市教育委員会事務局教育部文化財保護課の展示を一つひとつ紹介していきましょう。
このブログを通して、皆さんが大阪府の素晴らしい博物館展示に興味を持ち、実際に足を運んで楽しんでいただけることを願っています。それでは、さっそく大阪府で開催される魅力的な博物館展示を見ていきましょう!
今城塚古代歴史館:淀川の考古学
今城塚古代歴史館では、第24回企画展「淀川の考古学」を令和4年11月1日から令和5年5月14日まで開催しています。淀川は近畿地方の中央部から北部にかけて広がる広大な水域を持ち、地域社会の形成、地域間交流、遠隔地との交易、そして国家形成とその展開に大きな役割を果たしてきました。近年、新名神高速道路建設に伴う発掘調査で、淀川沿いの遺跡に関する新事実が多く発見されました。
この企画展では、最新の調査成果をもとに、淀川流域の遺跡や考古資料を通じて、淀川が築いた歴史を紹介しています。展示される資料には、祭祀に用いられた土器や鉄器、玉類などが含まれます。これらの出土品は、大阪府文化財センターが所蔵しています。
展示は高槻市立今城塚古代歴史館1階の企画展示室で行われ、観覧料は無料です。開館時間は午前10時から午後5時まで(最終入館は4時30分まで)。休館日は月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、および年末年始(12月28日から1月3日まで)です。この機会にぜひ、淀川の歴史に触れてみてください。
国立民族学博物館:ラテンアメリカの民衆芸術
国立民族学博物館では、2023年3月9日から5月30日まで、「ラテンアメリカの民衆芸術」という企画展を開催しています。この展覧会では、ラテンアメリカの民衆が作り出す独特の手工芸品、アルテ・ポプラルを紹介しており、メキシコからアルゼンチンまでの古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブの作品まで、約400点のさまざまな民衆芸術作品が展示されています。
特別展の目的は、ラテンアメリカの民衆芸術がなぜこれほど多様であるのかという問いに答えを探ることです。先コロンブス時代以来の文化の混淆、芸術として洗練されていった過程、そして現代の制作者の批判精神の3点に焦点を当てています。文化の多様性を育むためには何が大切か、ラテンアメリカの民衆芸術に触れながら考えることができます。
また、展示期間中にはさまざまなイベントが開催されます。ウィークエンド・サロンでは、研究者と話す機会があり、メキシコの版画運動やアマゾンの聖人祭について学ぶことができます。ワークショップでは、先住民族グナのアート体験ができるモラを制作したり、みんぱく映画会や友の会講演会でラテンアメリカの民衆芸術について更に深く知ることができます。
展示は国立民族学博物館の特別展示館で行われており、開館時間は10:00から17:00(入館は16:30まで)、休館日は水曜日です。観覧料は一般880円、大学生450円、高校生以下無料となっています。この機会にぜひ、ラテンアメリカの民衆芸術の魅力に触れてみてください。
高槻市しろあと歴史館:高槻城発掘ものがたり
高槻市しろあと歴史館では、2023年3月11日から5月14日まで企画展「高槻城発掘ものがたり」を開催しています。この企画展は、戦国時代に城主として和田惟政や高山飛騨守・右近父子がいた高槻城の姿を発掘調査の成果から紐解く展示です。江戸時代には徳川幕府の上方支配の一翼を担い、北摂唯一の近世城郭として栄えましたが、明治時代に入り、石垣石が鉄道建設に利用されるために破却され、遺構の大部分が失われました。
戦後の発掘調査により、本丸跡の天守台石垣や二の丸跡の戦国時代の堀、三の丸跡の武家屋敷跡や高山右近時代のキリシタン墓地跡など、地下に眠る高槻城の遺構が発見されています。この企画展は、高槻市の市制施行80周年および二の丸跡に高槻城公園芸術文化劇場が開館することを記念して開催され、これまでの発掘調査成果を出土遺物や絵図、写真パネル、伝世品の鯱瓦などを交えて紹介します。
展示会場は、高槻市立しろあと歴史館の1階企画展示室で、観覧は無料です。開館時間は午前10時から午後5時までで、入館は午後4時30分まで可能です。休館日は月曜日と3月22日(水曜日)です。また、企画展連続講座「高槻城を掘る!」が4月26日と5月10日に開催される予定です。
堺市博物館:みはらの古代集落探索!
堺市博物館では、2023年4月18日から6月18日まで、企画展「みはらの古代集落探索!」が開催されます。この展示は、堺市美原区の大型商業施設「ららぽーと堺」の建設地で工事前の遺跡調査により発見された奈良・平安時代を中心とする集落遺跡に焦点を当てています。展示会では、新たな調査成果に加えて、周辺で見つかった遺跡や出土品についても紹介されます。特に、集落が増え、寺院が建立されるようになる飛鳥・奈良時代の様子や、丹比郡に暮らした人々の足跡が詳しく説明されています。
展示は、第1章「新たに見つかった!古代の人々が暮らした集落」と第2章「古代のみはらはどんなところ?」の二つのパートで構成されており、いくつかの遺跡が紹介されます。また、円筒埴輪活用術に関するトピックも含まれています。
開館時間は午前9時30分から午後5時15分までで、入館は午後4時30分までです。休館日は月曜日ですが、5月1日は開館されます。観覧料は一般200円、高校・大学生100円、小・中学生50円で、20人以上の団体料金はそれぞれ割引が適用されます。また、堺市在住・在学の小中学生や堺市在住の65歳以上の方、障害のある方は無料です(要証明書)。
さらに、関連イベントとして、講演会や学芸講座、展示解説、ワークショップが予定されています。また、博物館公式キャラクター「サカイタケルくん」の生誕10周年を記念したパネル展示も同時開催されます。
この企画展は、奈良・平安時代のみはら地域の古代集落に関する貴重な情報が詰まっており、歴史や文化に興味のある方にはぜひ見ていただきたい展示会です。
大阪府立狭山池博物館:土木遺産展-水をはこぶー
大阪府立狭山池博物館では、令和5年春季企画展「土木遺産展-水をはこぶー」が開催されています。この展示では、河川や湖からの水利システムに焦点を当て、農業用水、治水、上水、運河など多様な役割を果たしてきたシステムについて紹介しています。これらの施設は、建設当時の土木技術の粋を集めたもので、史跡や重要文化財、登録文化財、土木遺産に選定されたものなど興味深い施設が各地に残されています。
展示は令和5年3月25日(土曜日)から5月7日(日曜日)まで開催されており、月曜日が休館日です。会場は1階の特別展示室で、入館料は無料です。開館時間は午前10時から午後5時までで、入館は午後4時30分までとなっています。
さらに、展示に関連した講演会も開催されます。第1回講演会は令和5年4月9日(日曜日)で、柏原市立歴史資料館館長の安村俊史氏による「河内平野を潤す長瀬川と玉串川」が予定されています。第2回講演会は令和5年4月23日(日曜日)で、和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員の田中元浩氏による「宮井用水 古墳時代から続く紀氏の遺産」が予定されています。講演会は狭山池博物館2階ホールで開催され、定員は60名で事前申込が必要です。参加費用は無料です。
この展示を通じて、利水・治水に関する土木技術の発展や役割について理解を深め、さまざまな施設との出会いを楽しみながら先人の知恵に思いを馳せていただくことを目指しています。
茨木市立キリシタン遺物史料館:ザビエルのはこ-隠しつづけたキリシタン遺物-
茨木市立キリシタン遺物史料館で開催される第13回企画展「ザビエルのはこ-隠しつづけたキリシタン遺物-」は、大正時代に茨木市北部の千提寺・下音羽地区の旧家から発見されたキリシタン遺物を紹介しています。これらの遺物はキリスト教の信仰具であり、屋根裏や蔵の隅に「箱」に入れられて隠されてきました。
今回の展示では、これらの「箱」に焦点を当て、キリシタン遺物と信仰を隠すための「箱」がどのようなものであったか、そしてその「箱」に込められた想いを探ります。これまであまり注目されてこなかった「箱」から茨木のキリシタン遺物の歴史を紐解いていくことを目指しています。
展示は令和5年3月23日(木曜日)から5月22日(月曜日)まで開催されており、火曜日と5月6日は休館日です。入館は無料です。また、同時に開催される近畿大学文芸学部連携事業成果パネル展示「キリシタンをたずねて-藤波大超さんと教誓寺-」も見逃せません。
さらに、関連イベントとして、体験学習コーナー「ザビエルははこに入るか」が開催されます。ここでは、ザビエル像をはじめとするキリシタン遺物がどのように「箱」に入っていたかを、原寸大で作成した複製品を同じく原寸大の「箱」に入れてみる体験ができます。全てが「箱」に入るかどうか、ぜひ挑戦してみてください。
さらに、期間中楽しく学べるクイズも実施されており、参加賞の缶バッジは全部で6種類用意されています。この機会に、茨木市立キリシタン遺物史料館でキリシタン遺物とその隠された歴史を体験してみてください。
藤井寺市:古墳墳丘の樹林の変化と城郭利用
藤井寺市教育委員会事務局教育部文化財保護課は、藤井寺市地域文化遺産活性化実行委員会と共同で、「古墳墳丘の樹林の変化と城郭利用」と題する展示を開催しています。古市古墳群の古墳が造られた後、現代に至るまでの墳丘の変化をジオラマと解説パネルで表現しており、視覚的に理解しやすい展示となっています。このジオラマ製作には、文化庁の補助金が活用されています。
展示では、古墳が樹木に覆われていく様子や、中世にお城として利用された様子が詳しく紹介されており、来場者に古墳の歴史的変遷を楽しみながら学ぶ機会を提供しています。
展示は、藤井寺市役所1階ロビーで令和5年4月14日(木曜日)から4月24日(月曜日)まで開催されており、土・日を除く各日午前9時から午後5時30分まで見学が可能です。その後、アイセル シュラ ホール1階展示コーナーに移動し、令和5年4月25日(火曜日)午後1時から4月29日(土曜日)午後4時まで開催されます。
この機会に、古墳の歴史的変遷と城郭利用の展示をぜひご覧になってください。