静岡県といえば、豊かな自然とともに育まれた多様な食文化の宝庫。
その中でも今回注目するのは、「大井川のお茶請け食文化」「西伊豆しおかつお」「すわま」の3つ。
いずれも文化庁「100年フード」認定を受け、日本が誇る伝統食文化として今改めて注目されています!
この記事では、それぞれの歴史・特徴・食べ方まで、要点をわかりやすく網羅します。
ぜひ最後までお楽しみください!
大井川のお茶請け食文化|旅人と共に育まれた静岡の味
大井川地域のお茶と食文化
大井川流域は、上流と下流で気候条件が異なり、
- 上流(川根本町):朝霧で育まれた金色透明な味わい深いお茶
- 下流(島田市・金谷):強い日差しで育った香り豊かな滋味深いお茶
と、地域ごとに異なるお茶文化を発展させました。
このお茶とともに独自のお茶請け食文化が生まれ、東海道を旅する人々を癒してきました。
大井川を代表するお茶請け4選
朝比奈ちまき
椿の灰汁(あく)に浸したもち米で作る保存食。
戦国武将たちも戦場で食し、「元気百倍」と言われた伝説のちまきです。
🔵 ポイント:1993年から復元活動が行われ、2022年には100年フードに認定。
ほととぎす漬
奈良漬に辛子を塗り、しその葉で巻いた、涙が出るほど辛い漬物。
お茶がどんどん進む絶妙な辛さが魅力です。
瀬戸の染飯(そめいい)
クチナシで黄色に染めたもち米を乾燥させた携帯保存食。
江戸時代には旅人の疲れを癒し、浮世絵や俳句にも登場した街道名物です。
らっか煮
落花生と根菜を甘辛く煮込んだ素朴な味わい。
川根地域の「お袋の味」として今も愛されています。
西伊豆しおかつお|1000年以上続く海の保存食
西伊豆しおかつおとは?
西伊豆田子地区でのみ生産される希少な塩蔵かつお。
- 【特徴】生ハムのような半生食感
- 【製法】たっぷりの塩で2週間漬け込み → 西風で3週間乾燥熟成
かつおの旨味がギュッと凝縮された、病みつき必至の逸品です!
潮かつおの歴史と文化
奈良時代には「荒堅魚」として平城京に納められた記録があり、
西伊豆の潮かつおは1000年以上の歴史を持つ伝統保存食です。
年末には「正月魚」として神棚に飾る文化が今も残り、
漁師たちは潮かつおを振る舞うことで新年の雇用契約を交わす慣習もあったとか。
潮かつおのおすすめ食べ方
- 焼いてそのまま
- 潮かつおクリームチーズ(ワインにも最高)
- 潮かつお茶漬け(至福の締めご飯)
- 甘酢漬け(塩味がまろやかに)
- カレーなどの隠し味に
万能に楽しめる「海の生ハム」です!
すわま(寿甘)|湖西市新居町が誇るふるさとの和菓子
すわまとは?
上新粉・黒糖・砂糖・醤油で作られる素朴な餅菓子。
大きめの小判型で、表面に2本の波形の溝が特徴です。
ほんのり香る醤油風味とモチモチ食感が懐かしい味わい。
すわまの歴史と文化
起源は関東の「すあま」にあり、
江戸時代から東海道を通じて湖西市新居町に伝わったと考えられています。
この地域では、桃の節句(ひな祭り)に菱餅の代わりにすわまを供える文化があり、
各家庭ごとに異なる味が代々受け継がれてきました。
🔵 ポイント:「すわま」は2022年、文化庁の100年フードに認定!
まとめ|静岡県の伝統食文化を未来へつなぐ

✅ 大井川のお茶請け食文化:旅人とともに育まれた知恵と味わい
✅ 西伊豆しおかつお:1000年以上続く海と人の恵み
✅ すわま:東西文化が交錯した素朴な餅菓子
いずれも静岡県が誇る、日本の宝ともいえる伝統食文化です。
変わりゆく時代の中でも、
地域の誇りを胸に、次の世代へと伝えていきたいですね!