長野市中心部に位置する大型商業施設「again(アゲイン)」の跡地に、不動産大手の「Brillia」ブランドを展開している東京建物による総戸数291戸の大規模マンションの建設計画が進行しています。事業のスケールや立地の利便性から注目が集まっていますが、その一方で潜在的な課題が存在している可能性について考察してみましょう。それは「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当する可能性です。

長野市「again」跡地のマンション計画

A condominium project is underway at the former site of "again" in Kitaishido-cho, Nagano City, Nagano Prefecture.
長野県長野市北石堂町の「again(アゲイン)」の跡地でマンション計画が進行。

建設計画は、長野市中心部でかつて営業していた大型商業施設「again(アゲイン)・長崎屋(旧)長野店」の跡地に、地上15階建て、総戸数291戸の大規模マンションを建設するというものです。建設地は約4368平方メートルで、地上15階、地下1階建ての鉄筋コンクリート一部鉄骨造りの建物を計画しています。建物の高さは48メートルとなる予定です。

この計画では、1階部分に2区画、合計300平方メートルの店舗向けスペースを設けるとされています。また、マンションの住宅部分は1LDKから4LDKまで幅広く用意され、多様なニーズに対応する予定です。

この計画の立地は、長野駅から北西に約300メートルと近く、善光寺の表参道・中央通りに面するという好立地です。この立地条件を活かし、東京建物は地域のにぎわいに貢献する開発計画を進めたいとしています。

また、計画地は1970年に建設された「again」の建物があった場所で、同建物は長崎屋長野店が核テナントとして営業していました。その後、1998年に核テナントが郊外移転し、ファッションビルとして再スタートしました。東京建物は2019年に土地と建物を取得し、2020年にはマンション分譲などを手がける穴吹興産との共同所有となりました。

この大型マンション建設計画は、東京建物と穴吹興産が共同建築主(過去にも「ブリリアタワー高崎アルファレジデンシア」で実績あり)となって進めており、着工は2023年11月を予定し、完成は2026年10月末を見込んでいます。その間、詳細な計画は共用部分も含めて今後示され、今冬には「Brillia」ブランドのモデルルームの開設も予定されています。

計画地は裾花川扇状地遺跡群に該当

Around the area are the Sosobanagawa Senjochi Ruins
マンション計画地一帯は「裾花川扇状地遺跡群」

「周知の埋蔵文化財包蔵地」とは、埋蔵文化財の存在が周知されている場所を指す用語です。これらの場所は、遺構や遺物が存在する可能性があり、新たな開発計画が進められる際には、適切な調査や保存措置が必要とされます。

長野市北石堂町の大型商業施設「again(アゲイン)」の跡地に計画されているマンション建設計画は、この「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当する可能性が指摘されています。該当する遺跡群の名称は「裾花川扇状地遺跡群(すそばながわせんじょうちいせきぐん)」であり、この地域は裾花川の旧流路が網目状に入り組み、尾根状や島状に微高地が形成されています。これらの微高地上に多数の遺跡が形成されており、その全体を「裾花川扇状地遺跡群」と呼んでいます。

「裾花川扇状地遺跡群」は、東番場遺跡、芹田小学校遺跡、八幡田沖遺跡、御所遺跡、芹田東沖遺跡、西方遺跡、寺村遺跡、若宮南遺跡、栗田城跡、守護所跡(中御所居館跡)、尾張城跡などの複数の遺跡を含んでいます。これらの遺跡は、旧石器時代から中世までの幅広い時期の集落跡、城館跡などを包含しており、地域の長い歴史を物語っています。

既存の「again」ビルは昭和45年に地上8階、地下1階の規模で建築されています。そのため、既存建物下部では既に遺構が湮滅(消失)している可能性があります。一方で、計画地に含まれる東側の駐車場部分には遺跡の残存可能性が存在します。このため、解体工事以後に試掘調査が行われることが求められています。

近年、この地域では開発事業に伴う発掘調査により、多くの遺跡が存在していることが明らかになってきています。したがって、新たな開発計画が進められる際には、適切な調査や保存措置が必要とされるでしょう。これらは、歴史的・文化的価値の保護だけでなく、地域社会に対する教育的な意義も持っています。

おわりに

Will it be Anabuki Kosan's "Alpha" series or Tokyo Tatemono's "Brillia" series?
あなぶき興産の「アルファ」シリーズか、東京建物の「ブリリア(Brillia)シリーズ」ができるのか。

このブログ記事では、長野市北石堂町の大型商業施設「again(アゲイン)」の跡地に予定されているマンション建設計画について、特に「周知の埋蔵文化財包蔵地」としての位置づけに焦点を当てて詳述しています。

「裾花川扇状地遺跡群」という複数の遺跡が存在するこの地域は、過去の人々の生活や歴史が深く刻まれており、特定の開発計画が進められる際には、文化的な配慮や適切な調査が必要となります。記事中では、遺跡の存在により地域開発が直面する可能性のある課題や、その重要性について、具体的な遺跡の事例を通じて説明しています。

また、既存ビルの地下構造により一部の遺跡が消失している可能性がある一方で、開発地に含まれる他の部分には遺跡の残存可能性があると指摘しています。それに対し、新たな開発計画が進行するにあたり、遺跡の保護と開発のバランスを取るための適切な調査や取り組みが必要であると強調しています。

この記事は、文化遺産の保全と都市開発の間の調和を図る重要性を、具体的な事例を用いて読者に示すものとなっています。それは、地域の歴史や文化を理解し、尊重することが、都市開発を持続可能かつ敬意を持って進めるための鍵であるというメッセージを伝えています。