南アルプス市は現在、新たな歴史を刻むべく、一大プロジェクトを推進しています。その中心にあるのが、中部横断自動車道南アルプスICに隣接する「南アルプスIC新産業拠点整備事業用地」の開発です。ここには約12ヘクタールの広大な土地が広がり、新たな地域資源の創出を目指しています。特に注目なのが、大型商業施設「コストコ南アルプス倉庫店」の開業予定で、来年の11月という具体的な目途が立てられています。
しかし、このプロジェクトはただの商業施設開発ではありません。その理由は、事業用地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当し、現在、大規模な埋蔵文化財発掘調査が行われているからです。過去と未来が交錯するこの地で、一体どのような歴史が紡がれ、新たな価値が生まれるのでしょうか。本記事では、この興味深いプロジェクトの詳細について紹介していきます。
南アルプスIC新産業拠点整備事業

南アルプスIC新産業拠点整備事業は、山梨県南アルプス市が中心となり進行している大規模な開発プロジェクトです。このプロジェクトの目的は、地元の経済を活性化させ、地域コミュニティを強化することです。そのため、中部横断自動車道南アルプスICに隣接する12ヘクタールの土地に、多様な事業者を誘致し、新しい産業基地を形成しようとしています。

このプロジェクトでは、特に企業の公募を進めており、その中から株式会社ヒカレヤマナシとコストコホールセールジャパン株式会社が新規進出する事業者として選ばれました。
株式会社ヒカレヤマナシは、地域資源を活かした事業を計画しています。具体的には、「山と暮らす街」をテーマに、農産物直売所とレストランが融合したグローサラントや、地域の観光のポータルとなるアウトドアセンターを設置しようとしています。これらの施設は地域の魅力を発信する交流の場となるでしょう。
一方、コストコホールセールジャパン株式会社は、県内初の大型商業施設「コストコ(仮称)南アルプス倉庫店」の設立を予定しています。この施設は多くの集客を実現し、地域に活気をもたらすことが期待されています。
山梨県内初進出!「コストコ 南アルプス倉庫店」

南アルプス市に開設されるコストコは、完熟農園跡地という特別な場所に立地します。7年前に事業を停止した完熟農園は、かつて観光客や地域の住民にとって親しみ深い存在でした。その跡地が再開発の一環として新たに大型スーパーの場所として選ばれたのです。その誘致には南アルプス市をはじめとする各関係者の尽力がありました。
一部報道では、南アルプス市の金丸一元市長は開業時期について、「来年の11月になる」と述べています。そしてその前段階として、8月からはすでに造成工事や建築物の建設が始まる予定です。
新しいコストコは中部横断道南アルプスICに隣接し、その立地は便利なアクセスを可能にします。店舗は平屋建てで、売り場面積は1万5000平方メートルに及びます。これは広々としたショッピング体験を提供します。また、850台分の駐車場や激安で大人気のガソリンスタンドが併設される計画となっており、ショッピングだけでなく、日常の必需品を手に入れる場所としても機能します。交通渋滞が心配ですが。
さらに、店舗隣接の地域交流エリアが来年8月にオープン予定です。これにより、ショッピングだけでなく、地域の人々が集まり、交流を深める新たなスペースが生まれます。
雨ヶ久保遺跡の発掘調査進行中

南アルプス市で進行中の新産業拠点整備事業は、多くの可能性を秘めたプロジェクトである一方、歴史と文化の観点からも重要な意義を持っています。その一つが「周知の埋蔵文化財包蔵地」である雨ヶ久保遺跡などの存在です。
雨ヶ久保遺跡は、事業用地内に存在する重要な遺跡であり、その埋蔵文化財の発掘調査が計画地で行われています。このような遺跡は、私たちが過去の人々の生活や文化を理解する上で、極めて価値のある資料となります。
令和4年10月3日から、事業用地における埋蔵文化財発掘調査(1工区)が開始されました。これは、事業進行の一方で、過去の遺産を尊重し、学術的な知見を深めるための重要な作業です。1工区の調査は令和4年度中に終了し、現在は2工区の調査が進行中です。
もし発掘調査が順調に進むと、令和5年の7月までに2工区の発掘調査が終わる予定です。
参考文献 南アルプス市教育委員会 2006 『南アルプス市埋蔵文化財調査報告書12:山梨県南アルプス市内遺跡詳細分布調査報告書』南アルプス市教育委員会
南アルプスIC新産業拠点整備事業 埋蔵文化財発掘調査(1工区)


さくら
1工区の調査状況が公開されているよ↓
南アルプスIC新産業拠点整備事業 埋蔵文化財発掘調査(2工区)

さくら
2工区の発掘調査の進行状況が写真で公開されているよ↓
おわりに

以上の情報から、山梨県南アルプス市における一大プロジェクト、南アルプスIC新産業拠点整備事業が進行中であることを確認することができます。このプロジェクトは、最新の商業施設と考古学的遺跡を融合させる、独特のビジョンを持っています。
一方で、期待が高まるコストコ南アルプス倉庫店の開業。会員制大型スーパーとして、地域の生活に新たな風を吹き込むでしょう。これは多くの方々にとって、新たなショッピング体験や便利な生活環境を提供するものとなることでしょう。
また、同時に進行している埋蔵文化財の発掘調査。歴史や文化を尊重するという視点からは、この調査から得られる知見は、地域の歴史に対する理解を深めるとともに、南アルプス市の価値を高めるものとなります。
これら二つの大きな動きは、一見異なる目的を持つように見えますが、実は同時に地域の未来を形成する重要な要素となっています。新しい商業施設の開業は市民の生活を豊かにし、発掘調査はその地の歴史を掘り下げます。これらは、現代と過去、物質的な利便性と歴史的な知識、地域の経済発展と文化的な教養が、互いに補完し合う形で進展していることを示しています。
新たなコストコの開店と、歴史的な発掘調査の結果が待ち遠しいですね。南アルプス市は、これらのプロジェクトを通じて、新旧の価値が共存する、独特の魅力を持つ地域になることでしょう。それぞれが市民の生活に新たな価値をもたらすことを期待して、その動向を見守りたいと思います。